【good morning】 スクがうなされる話。 優しいボス。甘々




「う゛ぉ…」
不意に覚醒した意識の中で、スクアーロはXANXUSを探す。

朝にはまだ遠い暗がりの中で寝台をまさぐると、
すぐ傍で探していたものが指先に触れる。
その感触を確かめると、安堵の溜め息が出た。

「…カスが、何してやがる」

「う゛ぉ…!起きてたのかぁ?ボス」

慌てて声のした方に顔を向けると、紅色の二つの目がこちらを睨みつけていた。

「テメェが散々うなされるからだろ。煩くて寝れねェんだよ」

「そいつはゴメンなぁ…、変な夢見ちまってよ」

「……」

XANXUSからの返事はないが、
スクアーロは今さっき見た夢の内容を話し出す。


「なんか知らねぇけど、オレは真っ暗闇ん中に居てよぉ。
…凍えちまうんじゃねぇかって位、寒い場所だった。」

「……」

「んで、とりあえずボスの所に行こうと思って、ボスを探すんだけどよぉ…
ボスが、見つからなかったんだぁ。
いくら探しても、名前呼んでも見つからねぇんだぁ…
すっげぇ焦った。
……変な夢だろぉ?」

「……」

先程から何も言わないXANXUSに不安を覚えたスクアーロは、恐る恐る目の前の男の様子を伺う。

「ボス…?」

「チッ…カスなテメェらしく、バカバカしい夢だな」

やっと発せられた言葉に怒りは含まれておらず、ただ呆れただけのような声にほっとする。

「でもよぉ…」

「…おいカス、一つ言っておく。
んなくだらねェ夢見る暇があるなら、そうならないように努力しろ。
テメェで誓ったんだからな。
…まぁ、もし俺がどっかに行くような事があったら問答無用でテメェも連れてくがな」


「いびり甲斐のある奴がいねェと退屈だしな。文句あるか?」とXANXUSは付け足す。

「ね゛ぇよ…ありがとな、ボス」

いつも乱暴な彼にしては優しく、聞きようによってはプロポーズともとれるような言葉で心を満たされる。

「…フン、カスが」


朝にはまだ遠い室内に小さな口付けの音が響く。

「…ん…、ボス、愛してるぜぇ…」

「当たり前だ」





fin.


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確か一年以上前に書いたもの。この頃はまだザンスクに目覚めたばっかりで、勢いだけで書いた気がします…

前のサイトからお引越しさせました。


ずっと前に自分で書いたものを読み返すのって、すごく恥ずかしかったです。

分かりにくかった表現、これはヘンだろって文は修正したんですけど…

少しは良くなってるといいです。


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あきゅろす。
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