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08:狂気じみた笑顔が綺麗なのはなぜですか
「そういえばなまえ、お前何の能力者なんだ?」

全てはローさんのこの言葉から始まった。
そういえばまだ話してなかったっけ。

「えー…トリトリの実あたりじゃないですか?」

「なんでお前が疑問文なんだよ」

「出来ることなら知られたくないからです」

「包み隠さず言おうぜ。一生添い遂げる仲じゃないか」

「妄想ですか。現実にまで持ち込まないで下さい」

幼いころからボルサリーノに“能力を易々と人に教えるな”と口をすっぱくして言われていた。
理由は…相手に能力を知られるのは危険だとか、なによりおじさん曰く売り飛ばされるから、だとかで。
それに

「能力言ったところで…信じてくれませんよ…」

「なんでだよ」

「…天使って言ったらどうします?」

「なまえ、お前はもう既に天使だ」

「殴りましょうか」

「愛情表現が激しいのは嫌いじゃないぜ」

…十中八九信じてくれないから能力を発動する、という面倒なことになる。

「…ちょっとだけですからね「キャプテーン!」

少し焦ったようなベポの声。

「敵襲だよー!」

確かに海を見れば海賊船が黒旗を掲げ、砲口をこちらに向けている。

「…敵襲ですって」

「あァ…丁度いいから俺の能力…見せてやるよ」

「私戦闘とか無理ですけどここにいて大丈夫でしょうか」

「守ってやる。傷一つつけさせねぇ」

そう言ってローさんはニヤリ、と笑う。
自分の身を守るだけ、ならできないこともないがこの目の前の船長に任せてみよう。

「絶対ですからね」

「当然だ」

敵船が横につき、梯子をこちらにかけた。

「戦闘開始だ」

ローさんが帽子をなおしながら私に背を向けて剣を抜く。



「怪我しないで下さい」

「ああ」



あきゅろす。
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