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06:視界は常に俺にしろ
「あ、青雉さん」

『あー、なまえちゃん、久しぶりだねぇ。最近どう?』

「青雉さんに会えなくて寂しいです」

『嬉しい事言ってくれるじゃないの。そろそろ嫁に来ない?』

「仕事サボらなくなったらいいですよ」

『…手厳しいねなまえちゃん。それはそうと、なまえちゃん今どこにいるの?』

「ちょ、ちょっと色々ありまして…海に落ちた所を通りかかった船に助けられました」

『海に落ちたって…まぁ…助かって良かったねなまえちゃん…未来の花嫁が死ぬとこだった』

「なんですかそれ」

『とりあえずその船の船長さんに代わりなさいや。お礼と…なまえちゃん迎えに行かなきゃだからさ』

「せ、船長さんですか…?」

会話を聞いていたローさんの方をチラリと見る。
視線が合った途端、無言で電伝虫をひったくられた。

「もしもし、この船の船長だ」

『あぁ、こちら大将青雉。うちの子が世話になりました。助けてくれてありがとう。お礼も兼ねてその子迎えに行きたいんだけど…船の現在地教えてくれる?』

「いや、大丈夫だ。いい」

『…と言うと?』

「こいつを返すつもりはない」

「ローさん何言って…!」

何言ってんるんだこの船長!

『ロー…?』

「申し遅れた。こちらハートの海賊団船長、トラファルガー・ローだ。以後よろしく」

『あらら…なまえちゃん、あんた海賊に拾われたの』

「…う、…はい…すみませんクザンさん…」

電伝虫越しに聞こえる青雉さんの呆れたような声が心に刺さる。

『んあー…こちらとしてはなまえちゃん返してもらえないと困っちゃうんだよね…』

「フフ…こちらとしてもこいつは返したくないんでな」

『…世界政府を敵に回しても?』

「ああ」

真面目な顔をして即答するローさんに少しどきり、とする。

『まぁいいや…力ずくで奪いに行くから。なまえちゃん傷つけたら許さないからね』

「傷つけやしないさ…だが渡すつもりもない」

『ふふ…ボルサリーノにも、ぼちぼち報告しとくね。俺も仕事あるから…それじゃなまえちゃん、いつでも電話ちょうだいね』

「…お仕事頑張って下さい」

私がそういい終えるとローさんが電話を切った。


「まさか大将と知り合いとは思わなかった」

「大丈夫ですか?ローさん…死んじゃいますよ」

「俺は死なねぇよ。」

「その底知れぬ自信はどこからくるんですか」

「お前は俺だけを見てればいい」

「嫁にいくとか、そんなのはよせ」

「ここにいろ」




「…焼きもちですか?」

「悪いか」



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