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04:そうやって心中を乱していくのは卑怯だと思います
「そういえばなまえってどこから来たの?」

「え…?」

大分この海賊団の人たちに慣れてきたある日、甲板で一緒に日向ぼっこしていたベポに質問された。

「どこって…マリージョア」

「ぶっ!マ、マリージョア!?」

「え!?うん…それがどうかしたの…?」

「マリージョアって世界政府の…?…もしかしてなまえって海軍なの?」

海軍か、と聞かれたらそうじゃないとも言い切れないしそうだとも言えない。
ただ…

「うーん…マリージョアに身内が勤めてて…ね、私その人以外に身寄りないから置いてもらってるの。まぁ資料の整理くらいしかさせてもらえないんだけどね」

「そうなんだ…ごめんね、こんな踏み入った話しちゃって…」

ベポは申し訳なさそうに膝を抱えて座る。

「ということは、」

ぼすっと頭に手を置かれる。

「俺たちは政府の人間を誘拐した誘拐犯…になるのか?」

「あ、キャプテン」

白い袋を刀の先に掛けた船長さんが私とベポの間に立っていた。

「ベポ、さっきペンギンが呼んでたぞ」

「ほんと?ありがと、キャプテン。じゃあ僕ちょっと行ってくるねー」

ベポはトタトタと船内に消えた。




「なまえ」

「なんですか?」

「マリージョアから来たってのは本当か?」

「ええ…残念ながら」

「帰りたいか?」

「できることなら。この船にいても迷惑かけちゃうだけですし」

「お前を船から下ろすつもりはない」

「そうですか…え?」

びっくりして顔をあげると嫌な笑みを浮かべた船長さんがいた。

「なまえ」

「はい」

「お前は船に乗って、そのつなぎを着た時点で俺の船のクルーだ」

どきり、と心臓が跳ねる。

「なまえ」

船長さんが耳元で囁く。

「お前は、俺の物だ」

「〜〜〜ッ!!」

低い声で囁かれ、顔がカーッと赤くなる。
整った顔も相まってか、不覚にもこの強引な船長さんにときめいてしまった。



「ああそれと、お前の着てた服、洗濯したぞ」

「あ、ありがとうございます…そういえば私、目が覚めたらつなぎに着替えさせられてましたけど、どなたがやってくれたんですか?」

「…この船の船医だ」

「というと」

「俺だ」

「やっぱりですか」

「ピンクとはかわいらしいじゃねぇか」

「セクハラです」

「照れんなよ」



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