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02:君の欠片がキラキラ光る
あったかい…あったかい?
いやいやそんな筈は。
散歩のつもりで飛んでたら目眩がして…海に……落ちたんだ…よね…
ああ分かった、天国。
なるほどね、あはは、死んじゃったんだ私。金槌だし。
……とりあえず目,開けるか



「―――え?」

ここどこだ。
病院にしては狭いし、なにより揺れてる。
揺れてるってことは

「船室…なのかな…」

白いベッドにふかふかな布団、腕には点滴。

「手当てしてくれたんだ…」

体を起こして部屋を見渡す。
ふと目についたのは腕のあたりに顔をついている巨大な白い熊のぬいぐる…み…

「――ぬいぐるみ?」

ぬいぐるみの頭を撫でるとくすぐったそうに身をよじった。

「ひっ!?」

動いた!?
本物…いや、着ぐるみだよね…びっくりした…
この白熊さんが助けてくれたのだろうか。

「…ありがとう」

白熊さんの頭を撫でながら呟く。
なんていうかリアルな質感だ。

「ん…」

むくっと白熊さんが頭を起こした。

「あ…ああっ!気がついたんだね!よかったー!」

そう言いながら白熊さんはぎゅうぎゅうと私を抱き締める。

「くるし…、う、た、助けてくださってありがとうございました」

「ごっ、ごめんね、つい嬉しくて…」

「いえいえ、あなたが看病してくれたの?」

「ううん、これはキャプテンがやったの。僕はただの見張り。君が気がついたら呼びに来いって…あ、僕キャプテン呼んでこなきゃ」

「あの、白熊さん」

「ベポ」

「え?」

「僕の名前。それに敬語じゃなくていいよ」

白熊さん、もといベポくんはにっこり笑いながら言った。



「で、なあに?」

「その着ぐるみ脱がないの?」

「白熊ですみません…」

「本物!?ご、ごめんね…」



あきゅろす。
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