01:こんにちは、小鳥さん!
「キャプテーン!」
船内に響く俺を呼ぶ声。
この声は―――ベポだな。畜生今何時だと思ってやがる。朝の8時だぞ8時。
バタバタバタバタ…
ベポの足音が近づいてくる。
あいつ俺を起こしにくる気か。
いい度胸だ、部屋に一歩でも足を踏み入れてみろ。バラッバラにしてやる。
バンッ
「キャプテン!」
「ROOM…」
「うわっ、キャプテンやめてよ!緊急事態なんだよ!緊・急・事・態!」
「…緊急事態?」
まだ目覚め切っていない頭を働かせる。
そういえば緊急事態だけは昼夜問わず入室を許可していた…気がする。
「敵襲か?」
「ううん」
「急患か?」
「ううん」
「…じゃあなんだよ」
「女の子が降ってきたの」
女の子だと…?
ここがグランドラインのど真ん中だということを差し引いても、“女の子”が降ってくるなんて聞いたことがない。
「それで?」
「うん、あのね、空から落ちてきて、それで海に落ちちゃったから助けたんだけど…意識がないんだ。呼吸はしてるみたい。」
「…その“女の子”は今どこにいるんだ?」
「甲板だよ。下手に動かしたら危ないと思って…だからキャプテン!はやく来て!」
先に行ってるからね!と言い残してベポはバタバタと甲板に戻っていった。
見ず知らずの女の子を助ける義理は無いのだが、見捨てるのも後味が悪い。
睡眠を欲している体に鞭を打って帽子をかぶり甲板に出る。
「キャプテン!」
甲板に出るとペンギンが駆け寄ってきた。
「どこにいる?」
「あそこに…」
指された船首の方を見やるとクルーが人だかりをつくっている。
その中心には真っ白なワンピースを着た少女。
「息はあるんだよな?」
「はい、でも一体なんでまた空から…」
ペンギンが不思議そうに空を眺める。
「さぁな……天使なんじゃねぇの?」
「確かに可愛いですけどね」
「とりあえず医務室に運ぶぞ。ベポ!」
「アイアイ!」
「そいつを医務室に運ぶ。連れてこい」
こんにちは、小鳥さん!
「…キャプテン、この子水浸しだよ…」
「…」
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