流動体(雷久々)
※現代
白いものが好きなのかな。何度かそう思った。
でなければ、豆腐と同じくらい夢中になってそれを食べる理由が分からない。
「雷蔵も食べる?」
「僕はいいや…」
最近の兵助のポケットには、白くてまあるいミルクキャンディが沢山。ここの所いつも兵助の口の中に入ってるお気に入り。
一度断ったものの、どの位美味しいのか気になって、少し味見させて貰う事にした。
「ん、」
噛み付くように唇を寄せて、兵助の舌ごと味わう。舌に遊ばれた飴玉が歯に当たってカラリと音を立てた。
ふと、兵助の舌を独占する白い玉が少し憎たらしくなって、強めに吸って兵助から引ったくる。
「甘いね」
「…取んなよな」
言ってくれれば幾らでもあげるのに。
そう言ってすっかり拗ねた兵助に、心の中で謝罪する。だって、僕が欲しいのは『兵助が食べてる飴』なんだからね。
「美味しいから、もっと貰っていい?」
「…ん」
兵助の口内にはもうキャンディは無かったけど、再び口付けてもまだまだ甘かった。それがキャンディの甘さじゃない事くらい分かってる。
豆腐ばっかり食べる兵助は、どこもかしこも、白くて綺麗で。最近はそれに甘さが加わった。
一舐めすれば、やめられない蜜の味。
END.
特濃ミ○ク8.2を食べていて走り書きしたもの。
あの飴うますぎる。
09,5,20
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