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【Starry Wish】


┳遊園地デート
┗るるしゅが乙女気味

ネタとタイトルを
綾桜サマから頂きました^^

【星達の願い】

2008/10/5 エポニム














2人きりの空間――


「もうすぐ日が沈むね」


今日1日、散々遊園地内で振り回されて、最後にどうしても乗りたかった観覧車。


「今日は楽しかったよ、ありがとう」


どきどきと、心臓の音がうるさくて。
彼の顔もまともに見ることも相槌を打つことも出来なくて……。


「夕焼け、綺麗だよ??」


彼に急かされてようやく顔をあげれば、沈みゆく陽が、海も、街も、空も、俺たちまでもすべてをオレンジ色に包んでいて。

「綺麗だ……」

その美しい景色に溜め息が漏れる。


「君はもっと綺麗だけどね」

はっとして隣を見れば、微笑んだ彼の顔。
気恥ずかしくて見ていられなくて、すぐさま俺は視線を逸らす。

「全く、お前って奴は……」
恥ずかしいことを恥ずかしげもなく言いやがる。
そんな彼のことがどうしようもなく好きなのだけれど、そんなこと言ってやるものか。


「ルルーシュ……」


名前を呼ばれ、肩を抱き寄せられる。彼の体温を間近に感じ、いつの間にか緊張も些かならず解けてしまっていて。
ちゅっと唇が頬に触れる。

 「君に渡したい物があるんだ」

――渡したい物??


差し出された長細い箱。リボンのついたそれを手に握らされる。


「…俺に??」

「うんっ」

「…開けていいのか??」

「勿論」


 

軽い包装を解き、はずむ気持ちをどうにか押し堪えながら箱を開ける。


「これは……」

「うん。ペンダント」

箱から取り出して手のひらに乗せてみる。瑠璃色の石がついた金色のペンダント。


「ラピスラズリか??」

「流石ルルーシュ、よく分かったね!!」

「あぁ。聞いたことはあったが実物を見るのは初めてだ」


古代ローマの学者が
“星のきらめく天空の破片”
と表現したそれは、群青の石に金色が散りばめられていて。


「ラピスラズリってね、聖なる石って言われていて、脆くてとても傷付きやすい石なんだって」

まるで君みたいだねって笑う。


いやいやいや待て。
脆いってなんだ傷付きやすいってなんだ。
聞き捨てならないぞそれは!!


「それに、君のように美しいし」

……前言撤回。
今回だけは聞き逃してやろう。

言ってやらなきゃならない言葉もあるし……。

「…ぁ……ありがとう」

ぎこちなく微笑んでやれば、彼の目も一層細くなって。

「どういたしまして」

と、首に腕を回してペンダントをつけれくれ、そのまま彼の腕に閉じ込められる。
彼の体温と首筋にうずめられた栗色の癖っ毛、いや彼の存在すべてが堪らなく愛おしくて、俺もぎゅっと抱き締めた。


「ねぇ、外…見て??」

「外…??」


彼に囁かれるまま外を見る。
観覧車は頂上付近に達し、いつの間にか夕日は沈んでしまっていて、煌めく星空と壮大な夜景が広がっていた。


――そう、それはまるで今首にあるラピスラズリの石のような……。


「これを君に見せたかったんだ……愛してる、ルルーシュ」

耳元で囁かれる、低く甘い声。その声にどきりと胸を弾ませる俺はさながら女みたいだなと心の中で自嘲する。
まあそれも仕方のないことかなとも思う。だって俺も――


「愛している、スザク……」



甘い空気が辺りに漂う。
星が瞬く中俺たちは見つめ合い、そっと唇を重ねる。


幸せなこの時間が永遠に続いてほしいと切に願いながら――



[fin.]




あきゅろす。
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