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失踪?

ピー。
『あー…キヨか。俺の部屋な、しばらく好きに使ってええよ。鍵ポストに入ってるけ。じゃ。』

ぅえええ『じゃ。』じゃないよ仁王クン。いきなりどうしたの。
メッセージが残されたのは7時。今は8時。

trrr
『お掛けになった電話番号は現在使われておりません』

いやいやいやいや、意味がわからないよ。たった1時間のうちに携帯解約しやがったあの詐欺野郎。

とりあえず仁王クンのアパートに行ってみる。ポストの中では件の鍵が一通の封筒の上に転がってた。取り忘れかと思って出してみたら俺宛てだった。

『ちょっとその辺うろついてきます探してもいいけど探さなくてもいいです』

その辺うろつくだけで携帯解約するのかい仁王クン。
とりあえず仁王クンの部屋に入ってみる。

「お邪魔しまーす…」

部屋の中はなんていうか、綺麗なんだか汚いんだか。綺麗なのをわざと散らかして出て行ったという感じだった。
床に散らばる国内外の旅行案内、あらゆる言語の入門書、大量の地球の歩き方。
…どこ行ったの仁王クン。

とりあえず冷蔵庫の中を確認。生卵が20コ、以上。

あの野郎。

それしか頭に浮かばない。
どこに行ったかもいつ帰ってくるかもわからない主を待つ生卵が可哀相で仕方ない。




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