こんな僕らの日常1 そんな訳でテニスコートから逃げるように走り出た俺を、何故か殴られた張本人の南が追いかけて来た。 やだやだ、なんで追いかけてくるんだよ。 どうせ俺はくだらないことですぐキレる単細胞なのに。 仲間に八つ当たりしちゃうような馬鹿なのに。 俺が南を殴ったのに。 南は保健室行って早く冷やさなきゃダメだろ。 あーあクチ切れてるじゃん。 なんで南なんか殴っちゃったんだよ俺。 一番そういうことに使っちゃいけないタイプだろ。 あ、一番は檀君かも、南じゃないや。 いやいやいや、中3にもなって八つ当たり自体がダメだろ。 「千石」 うわ、捕まっちゃった。 「なんで、」 「うん、八つ当たり」 「そ、か。」 「うん、そうかもね」 「なにかあったのか」 「ねー南」 「ごめんね」 「もう、いいって。」 ゆきましょうか、氷をもらいに。 ♯ |