ライバルはルカリオ？！ 6
「トキって、ゲンさんの事どう思ってるの？」
「…は？」
レストラン「ななつぼし」のキャラメルマキアートは絶品だ
私は修行の合間の息抜きによく此処のカフェを利用する
今日は外の席で、心地よい潮風に当たりながらゆっくりと休む筈だった
「どう思ってるの？ゲンさんの事」
ナタネさんが何故私の向かいの席に座ってるのかしら？
「スズナ、ちょー気になるんですけどォ〜！」
いつスズナちゃんも私の右横に？
「デンジもメチャクチャ気になるんですけどォ〜」
「何で貴様まで居るんだ！！！」
しかも棒読み！
「何で居るの！！」
「何でって…ねぇ？」
「スズナ達、トキさんに伝えたい事があって会いに来たんですよ」
「そうそう」
「私の左に座ってる人は要らないんじゃないかな」
「ほら、俺ん家此処から近いから」
「理由になってないだろうが」
ウェイターが注文を取りに来た
皆が注文し始める、一緒にお茶するの？
「ゲンさんねー、最近元気無いじゃない？」
「そう？ナタネさんの勘違いじゃないの？」
「いつも、シンユエ君に蹴散らされてトキと話し出来ないからよ」
「シンユエに？……ていうか、最近ゲンさんに会ったかしら？しょうぶどころにも来てないよn」
「トキの横でいつもシンユエ君にボコボコにされてるのがゲンさんよ！」
「いつも包帯だらけで、分からないっちゃ分からないがな」と、デンジがイチゴパフェを頬張りながら付け足した
「……やっぱり勘違いよ、シンユエは人に暴力を振るうような悪い子じゃないわ」
「ゲンさんにはちょーやってるんだってば！」
「知らないから、私」
「凄い難聴だなお前」
「貴様は喋るな」
ていうかね、私デンジ君の事苦手なんだよね
いつもプラスチックの焦げた臭いがするんだよ
「あのね、シンユエ君もただトキを守りたくてゲンさんを蹴散らしてるみたいなんだけどね」
「ちょっとやり過ぎで、可哀相だよォ」
「…」
二人の言っている事は真剣な表情から見て、本当らしい
…全くッッ…記憶に無いっ…んですけど
「思い出せないのか？…はたまた本当に記憶が無いのか…10万ボルトいっとくか？」
「逝くのは貴様だけにしろ」
…シンユエは優しくて可愛い子
私の為に強くなってくれた頑張り屋さん
ゲンさんから貰った卵から生まれた
ある意味自分を生み出してくれたゲンさんに何故暴力を？
「でも、スズナも分からなくはないなぁ…シンユエ君の気持ち」
「………まぁね」
「どういう事？」
「ゲンさんに盗られるのが嫌なんだろ、トキを」
私が、盗られる？
ゲンさんに…
「な、意味、分かんな、いよ」
「「ゲンさんはトキが好きなんだよ」」
「破滅的に鈍感なんだなお前」
信じられないな、とデンジは言い残すと席を立った
「帰るのー？デンジ君」
「ああ、じゃあなスズナ、ナタネ…鈍感トキ」
「何よ…！」
「まぁーまぁー」
「落ち着きなってトキ」
デンジ君にはこの話は辛いから帰らせてあげてよ、とスズナちゃん
ホント、何で来たんだか…とナタネさんが呆れ気味に言った
皆、意味分かんないよ…
「ゲンさんは、トキの事が好きなの。だから、少しは構ってあげてよ」
「す、好きってそんな…」
「勿論Loveの方だよー」
「嘘、」
「嘘じゃない、嘘じゃないから、ゲンさんにも気を配ってあげてよ」
ナタネさんの眼光が鋭くなった
……本当にゲンさんが、私の事を…？
「トキ、顔赤い」
「今更ゲンさんの気持ちに気付いて恥ずかしいんでしょー」
「…」
返事が出来ない、だって
「作戦成功かなっ」
「そうだね、ナタネちゃん」
二人が席を立つ
「しょうぶどころに居るメンバーさ、結構昔からの仲間が多いんだ。ゲンさんも昔からあそこに居てね、もう皆家族みたいになってて」
「だから、哀しそうな顔は見たくないの」
「…」
そうだった、の
「今度はシンユエ君ボールに仕舞って、ゲンさんに話しかけてあげてねぇー！」
「トキが一言声かければ、直ぐに元気になるからさあの人」
二人の姿が街に消えた
…嵐のような時間だったな
「何が何やら」
ゲンさんが私の事を好き
…イマイチ信じられないなぁ
手元にある飲みかけのキャラメルマキアートを見る
あーあ、埃が入っちゃってるよ…
「…しょうぶどころで飲み直すかな」
…………ゲンさん、居ると良いな…
気付いてから、世界が色付くまでに時間はかからなかった
体が何か、軽い気がする
2009*02*08
グダグダすみません(+_+)
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