ライバルはルカリオ?! 4
「ゲンさん、こんにちは」
「おや、スモモちゃん。こんにちは」
今日もしょうぶどころでトキさんが来るのを待っているゲンさん
「何か用かい?ルカリオ・ア・ラ・モードなら今週の月曜日に発行したよ?」
「あっ、はい。発売日一番に買いました!今週もルカリオについて新たに発見出来ました!でも記事の殆どがトキさんの事しか書いてなかったのが気になりましたけど」
ゲンさんは、ルカリオについての記事を雑誌に書いているんですよ
それが唯一の収入なんですって!私と同じくらい貧乏、ゲフンゲフンッ…私ったらまた失礼な事を!
「…私は自分の気持ちに素直なのが売りなんだ…トキはそんな私に惚れたんだよ」
「惚れてるかどうかはしりませんけど」
「言うね、スモモちゃん…」
「…あ、いや!トキさんも少しはゲンさんに気があると思いますよ?たまーにですけど、ゲンさんの事見てますし!」
「ふふっ…知ってる」
…ちょっと気持ち悪いと思いました
「…スモモちゃん、私に用事があったんじゃないのかい?」
「あ!危うく忘れるところでした!」
「ハハハ」
「あのですね、ルカリオって波導の力を使って人間と会話出来ますよね」
「うん、私はいつもルカリオに恋の相談をしているよ」
「………で、思ったんですが…ゲンさんのルカリオにシンユエ君の言葉を通訳してもらったらどうですか?そうしたら、ゲンさんもシンユエ君の気に入らないところを直せるかもしれませんよ?」
「何でもっと早く言ってくれなかったんだ!!!」
夕方6時
しょうぶどころも賑わってきました
皆でワイワイ騒いでいると、しょうぶどころのドアが開きました
「(ゲンさん!シンユエ君が来ましたよ!)」
「(え、トキが?)」
「(シンユエ君だってたった今言ったじゃないですか)」
「(ごめん☆トキ不足で血圧上がってて、耳が遠いんだよ)」
「あれ?今日は一人かい?ご主人様はどーした?」
『アウッ、アゥ〜…ワフッ!』
「そうかい、トキちゃんに代わって買い物に…偉いねぇ」
「(スモモちゃん…マスターとシンユエが普通に会話してないかい?)」
「(凄いです!マスター、ポケモンと会話出来るんですね!尊敬します!)」
「そうじゃなくて…もういい、トキが居なくても取り敢えずシンユエと会話してみよう」
今まで隠れていた机の下から抜け出して、ゲンさんはシンユエ君の所に行きました(あっ、既に威嚇され始めてます!)
「やあ、シンユエ。今日は一人みたいだね、私のワイフは何処に居るのかnイタタタタタタッ!!!」
今日はもの凄い勢いで噛まれてます。血が噴水のようです!
「シ、シンユエ…ちょっとした冗談さ…全くせっかちさん♪痛いッ!痛いよ!ああ!頸動脈に爪を立てるのは止めてくれ!!」
「シンユエ君!」
このままじゃゲンさんが本気で死んじゃいます!
「ゲンさん!早くルカリオを出して通訳してもらわないと!」
「!そ、そうだった…!」
ゲンさんは帽子からモンスターボールを取り出しました
「マーイ・スイート・ハニー!!出ておいでルカリオ!」
面白いくらいしょうぶどころが静かになりました
きっと皆の脳内に某水ポケモン使いの女性が浮かんだことでしょう
赤い光りと共にゲンさんのルカリオが現れました
『ゲン様、何かご用でしょうか?恋の相談なら明日にして下さい』
「今日は違うんだ、ルカリオ。今日はシンユエが私の何が気に入らないのか聞いてもらいたいんだ」
『…分かりました』
クルリとゲンさんのルカリオは踵を返すとシンユエ君に近付いていきます
何やらルカリオ語で会話してます!(可愛いなぁ)
数分後
『ゲン様、聞いてきました』
「うむ、何て?」
『死ねッ!と申してます』
「え?何て?」
『死ねッ!としか申さないんですよ』
「だから何て、」
『いい加減現実を受け入れて下さい!』
暫く呆然とした後、ふるふると震え出すゲンさん。目に大粒の涙を貯めて
「嘘だ…嘘だ…私は信じない!私がシンユエを生み出したんだよ?!シンユエがトキに出会えたのは私のおかげじゃないか!…確かに卵をホッカイロ代わりにしていたし、トキに今後絡んでいく為の口実にと卵をあげたさ…だけど!だけど!あんまりじゃないか!少しくらい私とトキを絡ませてくれたっていいじゃないkぐふぉ!!!」
シンユエ君がゲンさんの脳天に手刀を振り下ろしました
『そーゆーところが嫌いなんだッッ!と申しておりますゲン様。……ゲン様?』
下心は上手に隠さないとね?
いくら戦法を変えても勝てない…
ゲンさんの受難はまだまだ続きそうです
2009*02*06
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