[携帯モード] [URL送信]
少女急速成長期






私の知っている彼女は、可愛らしい少女だった

私の息子ジュンと無邪気に遊ぶ様は、天使のようだった





バトルフロンティアで久々に再会した彼女は、少し大人びていて、矢のように流れる月日をひしひしと感じた



「クロツグさーん!!!」


私に飛び付いてきた彼女は私の頬にキスをした

小さい頃、私以上に多忙な彼女の父親に代わり遊んでやっていたからだろうか、彼女は私の事を父親のように慕ってくれている

「トキー!ダディに何してンだよー!!!」

頬にキスをするのは、彼女から私に対する昔馴染みの挨拶

じたばたと騒ぐジュンに向かって、えへへっ、と彼女は笑った








久し振りの再会から数日が経ったある日

今日は何ヶ月振りかのタワータイクーン戦だ




どんな強者かと控室を訪ねてみれば、トキ、彼女が居た


彼女に手を引かれ、そのままソファーに座る


「トキ、君だったのかい…君の強さは噂に聞いていたが、まさかここまでくるとはね」

「驚いた?」

「ああ、凄くね。ジュンなんてまだ10回戦までいけば良い方だよ」

ハハハ、と笑う私につられて彼女も笑う



それから暫く会話に花を咲かせていると、アナウンスが控室に流れた

「もう始まるみたいだ、行こうかトキ」

「あ、待って」

「何だい?」


彼女が私の首に手を回した

またいつものように頬にキスをするのかと思えば、唇に柔らかい感触を感じた




「っ、トキ…?!」


彼女の手が首から私の頬に移動した

顔を固定される



「ふ、」



動揺して強張っていると、私の唇を割って彼女の舌が侵入してきた

彼女の舌が歯列を丁寧になぞる



息苦しさを感じ、口を開いた隙に彼女の舌は更に奥へ

縮こまっていた私の舌を器用に捕らえると、色んな角度から舌を絡め出す

それと同時に彼女は顔の角度を変える

「ん、ふぁ」

「は、あ」


徐々に漏れ出した私と彼女の声

頭が朦朧としてきたその時、控室に2度目の呼び出しのアナウンスが流れた

それを聞き、ビクリと体を震わせた彼女はようやく私から離れた

お互いの口から銀色の糸が引く


「、トキっ…」


彼女は口元に着いたどちらともつかない唾液を腕で拭った

そして、いつものように、えへへっと笑った

そのまま彼女はドアに向かう


「待ちなさいトキ!!」


一瞬、彼女はこちらを振り返った

艶やかな笑みを浮かべていた


ドアがバタンッと閉まる




私は今しがた起こった事が信じられず、その場に暫く立ち尽くしていた









少女は大きく飛躍する




その日、彼女とのバトルは言うまでもなく負けた








2009*02*04

[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!