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首輪









夜の帳は完全に落ち、人やポケモンのみならず、草も木も、全てが眠りに着いていた

ミオの街は、昼間の活気が幻だったかのように静まり返っていた

ミオシティ最北端に位置する彼女の家は、何時見ても、うら寂しい雰囲気を醸し出している

彼女の家の近くには、人家は殆ど無い

こんなにも街から離れた土地に住むのは、防犯上かなり危ないと思う





そしてその危険性は、彼女自身が身を以って知っている筈である



















彼女が苦しそうに呻き声を上げた

まるでその呻き声が私を催促したかのように、手に篭る力はますます強まってゆく

どうしたものか、彼女を前にすると、どうも荒々しく扱ってしまう


「や、め…!」

「…こんばんは、トキ」


夜の挨拶を終えると、私は彼女の首から手を離した

その途端、彼女は体制を崩し床に伏しそうになる

そうなる前に、私は彼女の体を支えた


「大丈夫かい?」

「…けほっ!……誰の、せ、いだと…!」


どんっ、と彼女は私の体を突き放して、さっきまで私に押し付けられていた壁に、ふらついた足取りで寄り掛かった


「はぁ…っ、暫く来なかったから、油断したのが間違いだったわ…!」

「…すまないね、最近気になる子を見付けてね。中々トキの元に来れなかったんだよ」

「…そ、」

「ヒカリって言う女の子なんだけど…実に興味を涌かせてくれる子でね」

「気に入った子が出来たのなら、私の所になんか来ないでっ…!」

「ヒカリちゃんは良いトレーナーだよ」

「………帰って、」

「今の話を聞いて…少しでもヤキモチを妬いてくれたかい?」

「…貴方、何言ってるの」

「だから、」

「もう、いい加減にしてよ。これで何度目?…本当に止めてちょうだい」

「トキ…」





「…私達、別れて何年経ってると思ってるのよ」





「トキ、」

「来ないで!貴方やっぱりおかしいわ」

「愛しているんだ」

「…止めて………もう、これ以上されたら…私…」

「どうして駄目なんだ、私では」


彼女の体に手を伸ばす

しかし、その手は彼女に到達する前に叩き落とされた


「触らないでって、何度も言ったでしょう?…私、本気で貴方を訴えるわよ」

「…」

「警察に突き出すわ、もう限界なの」

「トキ」

「…貴方とは付き合えない。その理由は、貴方が一番分かってるでしょう?」


「付き合えない」、その言葉を聞いた瞬間、私は反射的に彼女の腕を荒々しく掴んでいた

そのまま彼女を強引に引き寄せて、噛み付くようなキスをした

その時、彼女の唇を少し噛み切ってしまったようで、僅かに血の味がした

彼女は直ぐに私のキスに拒否反応を示した

私から顔を背けようと、必死に抵抗している

私は、更に無理矢理彼女の顔を押さえ付けて、口内に舌を捩込んだ

その途端、私の舌に鋭い痛みが走った

「………ッッ!」

「…っは!も、通報するわっ!………貴方最低よ、ゲン!!!」


今度は、自分の口内から血の味が広がった


「…い、ぁ!」


彼女の腕から手を離し、再び首へと手を移動させた


「ぐッッ…!」

「…トキ、大人しくしてくれないか」

「…ぅ……嫌っ…!貴方の事、好きじゃないの!貴方なんか大嫌いよ!…何時まで私を束縛するつもり?…もう終わったのよ!ゲン、私達はもう二度と恋人同士には戻れないのよ!!!」

「……嫌だ、」

「ゲン、分かって…貴方も私から離れて、変わらなきゃいけないわ!」

「嫌だよ」

「このままじゃ、貴方、」

「君が好きなんだ、愛しているんだ!」





「本当に駄目になってしまう」





「もう止めてくれ」


そんな言葉は聞きたくない

彼女から聞きたいのは、そんな言葉なんかじゃない

















始めと同じく、彼女を壁に縫い付けた


「トキ」

「んぁ!…ぃやぁ!」


彼女の体を壁に押し付けたままの状態で、私は片足を彼女の足の間に捩込んだ

そうする事で、彼女は足を閉じられなくなる

私は片手を未だ彼女の首に固定したまま、残った片手で彼女の乳房を揉み砕いた


「止めて!…ゲン、も、嫌ァ!」

「…トキは黙って喘いでいれば良いんだよ」


私の望まない言葉を言うくらいならね


「嫌っ!…い、ぐっう!」


彼女の首を更にきつく締め上げた


「次、口答えしたら………分かってるね?」

「う、ぐは…っ!」

「分かってるよね、トキ」

「……さ、いてぇ、よ……貴方の、こ、れが、別れた原因でしょ、う…!何で分から、ないのっ!………何で、優しくしてくれないの、よ!!」


…優しくしてくれだって?

私は優しくしていただろう

心から君を愛していたよ


「…その言葉は、そのままトキにお返しするよ」


恐怖と怒りに苛まれる彼女を余所に、私は彼女の下着を引き裂いた

彼女の秘部の周囲を、つつ…と指でなぞれば、彼女の体が強張るのが分かった

私は自分の指に唾液を付着させると、固く閉ざした彼女の秘部に指を突き入れた


「…!!」


私の唾液を潤滑油代わりにして、彼女の内壁を擦る

その度に、彼女は堪えきれなくなった嬌声を漏らした


「…もっと声、聞かせて?」

「はっ…大、きら、い…!ぅン、ぁ!」


彼女の気に入らない態度に、私は再び彼女を乱暴に扱いたくなった

大した愛撫もしていないので、彼女の秘部の潤いは少ないが、挿入する事にした

ズボンのベルトを外しチャックを下げると、自身の猛った雄が姿を現した

私は自身の雄を取り出すや否や、勢いよく彼女を下から突き上げた


「!……い、った!」

「少し、裂けてしまったね…トキが抵抗するからだよ?」

「…い、たぃ!痛い!」


ヌルリとしたものが、私と彼女の足を伝って床に落ちた

私達の足元に、赤い花が咲く


「………ふ、トキっ!…そんなに締め付けたら…く、私のを食いちぎるつもりかい…?」

「い、あッ…!んんっ!」


私の唾液と、彼女の血液

そして感じ始めた証拠に、滲み出始めた愛液

それらが混ざり合って、小刻みな水音を奏で始めた

次第に彼女の中で、痛みと快楽が拮抗し始める

そして直ぐに、快楽は痛みを通り越していった

何だかんだ言って、今まで彼女は数多く私を受け入れてきたのだ


「このっ…強姦、魔!…あぁン!やぁ!」


罵声とも言える彼女の言葉を聞きながらも、私は夢中になって彼女の秘部を蹂躙した

彼女が喋る事もままならない状態になるまで持ってゆく

私は彼女の事を知り尽くしている、つもりだ

私は彼女の一番感じる箇所を、ガツガツと突き始めた


「…んゃ!あ、ん!…ひ、ぅ!」

「トキ、気持ち良いだろう…?」

「…は、もうっ!止め、ぁあああっ!」

「…トキっ、愛していると、言ってくれ…!…私は、君を苦しませたい訳ではないんだ…っ」

「…な、にが…ァアン!」

「トキが私の側を、離れようと、っ、するから…っ!」


君が私の側に居てくれると、私だけを見てくれると約束してくれるのなら…!

幾らでも優しくしよう

君の望むがままに


「…ぁああぁあ!」

「くっ!…トキッッ!」


ビクンッ!と彼女の体が大きく跳ねた

私も彼女の締め付けにより、絶頂を迎える

秘部の隙間から私の精液が漏れ出さないようにと、引き気味になる腰を必死に彼女に押し付けた

なるべく奥へ奥へと流れるように、既に力の抜けた彼女の体を支えながらも、彼女の片足を持ち上げて、更に深い挿入を試みる

存分に彼女の中に白濁した欲望を注ぎ込むと、ズルリと雄を引き抜いた

流石の私も、久々の激しい行為に息切れを起こした

しかし、私以上に息を荒がせている彼女を、ゆっくりと優しく床に横たわせた










「ヒョウタ君とね、食事に行っても良い?」

「今何時だと思っているんだい?…駄目だよ、行っては」


「デンジがねー、たまには家に遊びに来いって」

「デンジ君はトキの事が好きだからね、きっと何か下心があるに違いないよ」


「…ゲンって、独占欲強いよね」

「トキの事を愛してるから、止めているんだよ?」





「でも……少しくらい自由が欲しいわ」





その時、私は生まれて初めて、女性に手を上げた

愛しているが故の、行動だった

その日を境に、彼女は私を避け始めた

そして遂に、


「ゲン、別れてちょうだい。……貴方の愛は重過ぎる」


その言葉を聞いた時、再び私は彼女に暴力を振るった

彼女が言った事を撤回させたくて、追い詰められたが為の行動だった

彼女はそれを機に私の前から姿を消した

しかし直ぐに見つけ出して、彼女に再び別れの言葉を撤回するよう求めた

勿論、私は暴力を振るった事に関しては謝罪した

だが、彼女は私の元には二度と戻らないと、はっきり言い放った





その瞬間、私は私が壊れる音を聞いた





「独占するという事は、そんなに罪な事なのか?」


どうしようもない狂愛のスパイラルに巻き込まれた

逃げる彼女を追い掛けては捕まえて、暴力を振るって言う事を聞かせようとしてしまう

彼女の隣にもう一度戻りたい、その一心だった



情事後に襲い来る疲労感のせいで、彼女は死んだように眠っている

おもむろに、彼女の首に出来た赤い痣をなぞってみた









それはまるで首輪のようで







彼女はこれからも私を拒み続けるだろう

本当に、もう、元に戻るのは不可能なのかもしれない

ならいっその事、永遠に外れない首輪でも付けてしまおうか

私は立ち上がると、横たわる彼女の体に跨がった


「…君は誰にも渡さないからね」


私は、彼女の首に刻まれた首輪を見詰めた

再び私は彼女の首に手をかける


絶対に外れない、首輪を嵌める為に

















2009*04*09
翌日加筆しました
黒ゲン…リクエストに応えきれてないかもしれませんが…精一杯頑張ったつもりです(^_^;)



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