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ライバルはルカリオ?! 8






シンユエがシンオウを発って、早1時間



「シンユエー!!!」

『お待たせしましたっ、トキ殿!』



え、帰って来るの早くない?



「…シンユエの馬鹿!……一体今まで何処へ行ってたのっ!」

『申し訳ありません…まさかこんな長旅になるとはっ…』

「寂しかった…っ!しかもこんなボロボロになって!」

『トキ殿から頂いたバンダナが……くっ、本当に申し訳ありませんっ!』

「…そんなのいいのよ……シンユエが無事で…良かったっ…」

『トキ殿…』



何度も言うが、1時間しか離れてないからね








シンユエとトキが再会の喜びに浸ること3時間…旅に出てた時間より長いよね



「シンユエ…あの、そろそろトキと話をさせてくれないか…?」


こう独占されていては、トキといちゃつく事も出来ないんだが…

というか、ふりだしに戻ってない?


『……えっと…どちら様…?』

「シンユエ、ほら、ゲンさんよ…波導使いの」

『…はて?記憶に無いのですが…』

「長いこと旅をしていたから忘れてしまったのね…仕方ないわ…」

「ちょっとォォオ!!!1時間しか君っ、旅に出てないだろう!?なのに何で私のことを忘れちゃったんだい!」

『このシンユエにとって、取るに足らない人物だったのでは?』

「覚えてるよね?!その口ぶりは絶対覚えてるよね?!!」

『…で、トキ殿。貴女にお見せしたい物が』

「え?何かしら」



無視?!シンユエ、君って奴はどんだけ人の心をシュレッダーにかけるんだい…!






『トキ殿、これを』

「……これは?」

「お見合い写真だね、ってダメェエェェ!!!

「キャッ…!?ゲンさん何するんですか?!」



お、お見合い写真って…まさか!



「ちょ、ゲンさん返して下さい!シンユエからの折角のお土産…っ!」

「これはお土産なんかじゃないぞトキ!爆弾だ!………シンユエ!君、何て物を!!」

『爆死シロ、貴様ダケナ』



ヒェエェー!!!なんかロボットみたいな無機質な喋り方した!こんな喋り方するルカリオは初めて見た!(しかも、怖さ5割増しだよ!)



ベチンッ!



「う」

『はいどーぞ、トキ殿』

「ゲンさん、だ、大丈夫ですか?」

『大丈夫ですから、トキ殿は早くこれを見て下さい』

「う、うん」



生まれて初めて、脳みそが揺れた気がしたよ
しかも、前より確実に腕力上がってる…旅していた1時間の間に何が?!







『何人か候補が居たんですが、最終的にその人が一番良さそうだったので』

「…お、お見合い写真なんか…初めて見るわ」



分厚い写真集をゆっくりと開くトキ

軋む体に鞭を打って、私も立ち上がり覗き込んでみた



「こ、この人は…!」

「ゲンさんのお知り合いですか?」

「いや、そうじゃないが…」

『ダイゴさん、と言うのですよ』

「ダイ…ゴ…さん?まさか歌手の?!

『残念ながら「うぃっしゅ」とは言わないんですよ………代わりに「石」と連呼します』

「………ちょっとガッカリ」

『すみません、トキ殿』



歌手の方が良かったのかトキ?!








『…このシンユエから見ても、この方は素晴らしい方でして』

「か、恰好良い人ね」

『でしょう?』

「トキ!顔なら私だって、ダイゴ君には負けてないと思うのだが」

「ゲンさんも恰好良いですよ」

『顔が良いだけの男なら腐るほど居るんですよ…ケッ!』



どうしたものか…此処にヤ○ザが居る…



『顔だけで判断するのは良くないですよ、トキ殿』

「そうね!肝心なのは、内m」

『金です』

「え、」



流石のトキもびっくりしてるよ



『世の中お金が無くては生きてゆけません』

「確かにそうだけど…」

「シンユエ、大事なのはお金じゃない…内面だよ」

「……そう、内面が大事よ」

「だから、内面が素晴らしい私と結婚するべきだトキ!」

『内面が素晴らしくても、お金を持ってないヒモと結婚したんじゃ絶対に幸せになれません』



…ヒモって、私の事かな



『このダイゴさんを選んだ理由はですね、この人がトキ殿を幸せに出来る条件を満たしていたからなんですよ』

「条件…?」

『顔良し、金持ち、器量良し、おまけにポケモンバトルも強いですよ、ホウエン地方のチャンピオンですし』

「チャンピオン?!」

『しかも、趣味が石集め…地味で良いでしょう?』

「失礼だろう」

『趣味がギャンブルとか買い物とか、浪費するものじゃなくて良いな、と思ったんですよ』

「採掘作業にもお金はかかるんだよ?まあ、ダイゴ君はお金持ちだから関係無いみたいだけどね」



私なんかもっとお金がかからない趣味だぞ、トキを眺めていれば…それで良い…



『あーキモい、マジキモい…そろそろ本気で殺ろうかな』

「波導で心の中を読まないでくれるか」





「………シンユエ、」

『何ですか?トキ殿』

「シンユエの話を聞く限り、すごーく素晴らしい人だって分かったわ」

『でしょう?そこのよく分からないヒモより断然良いですよ!』

「っ、トキ!…はやまるな!」



ダイゴ君より、私の方がトキを愛しているぞ!!!



「………こんな素晴らしい人が、私なんかと結婚する訳無いわ…」

「そこ?!」

『トキ殿…』

「だって、そうでしょう?お金持ちで、チャンピオンで…恰好良くて…そんな人が私なんかと結婚したいと思う?」

「私は結婚したいぞ」

『…確かに………今、ダイゴさんは誰かと結婚する気は無いそうです』

「…やっぱりね」



これは…もしかしなくとも…やったーー!!!ダイゴ君に結婚願望が無いのなら話にならないな!これでトキは私と…



『でも、ダイゴさんの部屋に飾ってあった石を何個か床に叩き付けたところ、ダイゴさんが突然トキ殿と結婚したいと言い出しまして』



ダイゴくーーーん!













それは懇願に近い形だった





『明日にでもトキ殿とお見合いしたいそうですよ』

「う、嘘でしょ?………明日って、いくら何でも早過ぎるわ!」



「突っ込む箇所は、そこじゃないだろう!!!」


















2009*03*23
ルビーもサファイアもエメラルドもやった事無いので、ダイゴさん知らないんだけど登場させちゃったよ



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