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面影が焼き付く











私の名前は、クロツグ

フタバタウン出身のトレーナーで、今はバトルフロンティアでタワータイクーンをやっている

因みに妻子持ちで、一人息子のジュンは最近このバトルフロンティアにやって来ている

そんなジュンと一緒にやって来たのが、トキという同じくフタバタウン出身の女の子

息子のジュンとは幼なじみで、私も昔から知っている






実は、私はこのトキが苦手である

出来る事なら会いたくないくらい…





















「イエーイ!次は、タワータイクーン戦ーッ★ひゃっほーーーう!!!」




来た






トキが来るまで、タワータイクーン戦なんて1ヶ月に1回あればいい方だった

しかし今では毎日のようにある…
いや、試合があるのは良い事だ


「早っく出て来い〜!」



トキが相手でなければ






「クロツグさま、挑戦者がお待ちです」

女性職員が呼びに来た

分かってる…行かなければならないのは分かってるが


「……負けたらどうしよう」

「クロツグさま、何言ってるんですか貴方は」

我らがタワータイクーンが情けない!と職員は怒るが、私は地獄に堕ちる思いなのだ




渋々重い腰をあげ、職員についてステージに出る





「…トキ、今日も来たのか」

「当たり前ですよ〜!今日こそお願いを聞いてもらう為にね!」

「……今日は何かな」

「私が勝ったら、私とワンナイトラブをお願いします★」

「意味は分かって言ってるのか」




トキは、私に惚れているらしい

それが嘘が誠かは置いといて、こういう不謹慎な言葉を毎回吹き掛けられては、周りに私とトキの関係を誤解されかねない


「トキ、そういう事を公然で言うのは止めなさい」

「公然が駄目なら、プライベート?いやーん!クロツグさんからのお誘いだわ!」

「どういう思考回路をしてるのかな、君は」

「クロツグさんを前にすると、トキの思考回路はショートしちゃうんだぞ★」

「…」



人の言う事は聞かないし、自己満足で事を進めようとする

そして、その馬鹿デカイボリュームで話されると難聴になってしまいそうだ…



何より、トキはアイツにそっくりなのが気にいらない


日に日にトキはアイツに似てくる、仕種や見た目、私をからかうその態度も





「さあさあ!クロツグさん、ワンナイトラブ!」

「……トキ、何度も言うけど私は結婚しているんだよ。しかも、私の子供は君の幼なじみじゃないか」

「え、それが何?」


それが何?じゃないだろう


「私はクロツグさんの現地妻になりたい訳です!」

「どーゆー訳か分からないが…」

「クロツグさんは私の初恋にして、最期の恋!ですから」


真剣な顔でそう言うトキに、生憎だがときめく程私は若くない















「そろそろ始めて下さい」

ごほん、と咳を一つ、職員が催促した


「う〜…もう少しクロツグさんとお話したいのに」

「私はさっさと終わらせたいな」


悪いが、私はトキが苦手なんだよ


「じゃあ、始めるぞ」

「…はぁーい」



ムスッとした顔のトキが渋々ボールを手に取った



そんな顔さえ、嘘だって知ってるんだよ


トキが投げたボールから、勇ましくモジャンボが飛び出した

よく育てられているな…




「トキ、今日こそ私に勝つかい?」


今までトキが、わざと負けていたのは分かっているがな






「…精一杯、頑張ります」





ああ、一つだけ…私がトキの好きなところがある


バトルの時、驚く程鋭い目付きになる

こうなったら、私に話かける事もなくバトルに集中する



そんなところもアイツに…








昔も今も、翻弄されっぱなし






血は争えない

その言葉が本当なら

トキが私を越えて行くのはもう間近なのだろう

いくら私の側に居たって、結局は遠くに行ってしまう



嗚呼、だから嫌いなんだ

君との馴れ合いは
















2009*03*03
トキパパとクロツグさんのカプが好き(爆)

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あきゅろす。
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