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diverge 1



それは突然だった

嵐と共に彼女は私の所にやって来た















「凄い雨ですね、クロツグさん」

「雷も凄いな…ネジキ怖くないか?」

「馬鹿にしないで下さい!雷が怖いだなんて、僕は子供じゃないんですよ!」

「(子供じゃないか)」

「全く……おやすみなさい!」

バタン、とドアが閉まった

「おやすみ」




バトルフロンティア内には、作業員用の部屋が各自用意されている

長い廊下の中央に配置されたエレベーターに乗り、自室に向かう

最上階に位置する私の部屋

この階は、贅沢にも私専用なのだ

頑張ってタワータイクーンになって良かったな、なんてよく思う程広々としている


「はあー…今日も暇だったな」

最近は私の所までたどり着くトレーナーが居ないせいか暇で暇で仕方ない


最後にタイクーン戦をしたのはいつだったか…









そうこう考えているうちに自室前まで来た


「!」


誰かが私の部屋のドアの前に立っている

体中ぐっしょりと濡れて、カーディガンにスカート姿…女…



「誰だ!」



幽霊なんかに怯える歳でもないぞ


その人物はゆっくりと顔をこちらに向けた




「クロツグ、さん…」

「君は……」




ドアの前に立っていたのはトキだった

彼女は、私の息子ジュンの幼なじみで、私は彼女が小さい頃から知っている


「どうしたんだ?!こんな夜遅くに!…こんなびしょ濡れで…」

「クロ、ツグさん」

「とにかく、中に入りなさい!」












トキをソファーに座らせ、バスタオルを渡す

しかし、無反応

ただ俯いたまま、一向に体を拭こうとしない



「…本当に、何があったんだ」

「…」

「トキ、黙っていちゃ分からない」

バスタオルを彼女の体にかけてやる

「…嫌な事でもあったのか?」

ピクリ、と微かに体が動いた

図星か…


「…私で良かったら、話してみなさい」

「…」

「トキ、」

「クロツグさん」

「何だい?」


耳を傾けるように彼女に近付いた時、急に私の視点が反転した


「…?!」








私の目の前にはトキが居る

私の胸の上に乗っている


「トキ、どうし、たんだ…?」

トキは私に馬乗りになったままポケットからボールを一つ取り出した

ボールから現れたのは、ロズレイド


全く意味が分からない


「ロズレイド!くさむすび!」


しゅるり、と私の両腕にロズレイドが出した弦が巻き付く

私は両腕をソファーの横に設置してあった、電気スタンドに固定された

つまり、私は両腕を上に伸ばした形で拘束されている


「ありがとう」

トキはロズレイドに微笑むと、ボールに仕舞った



「…どういうことだ」

「ごめんなさい、クロツグさん…」

「謝罪の言葉が聞きたいわけじゃない、どうしてこんなことをするんだ」

「…」

「…取り敢えず、これを外しなさい」


キリキリと締め付けるように強く結ばれた弦に痛みを感じた


「駄目、です」

「いいから外しなさい!!」


声を荒げる

トキの目に一瞬だが、恐怖の色が浮かんだ


「クロツグさん、」

「素直に外せば、怒らな、っ…?!」


唇に柔らかな感触

間違いなく、トキが私にキスしていた


「トキッ、く、ぅ」


一旦息を吸うと、また口付け





それを何度か繰り返した後、舌を絡め出す

私も結婚して子供がいるから分かるのは当然だが、トキのキスはたどたどしいものだった

きっと、ディープキスなんて初めてするのだろう…

それでも一生懸命に、私の舌と自分の舌を絡めようとする


「ふ、ん…ぁ」


トキの口から僅かに声が漏れた



不意に、トキの唇が離れる





「っ……トキ、本当に、どうしたんだ…」


トキはまたもやポケットに手を入れると、ハンカチを取り出した


「…?」


そのまま、そのハンカチを私の目に被せる

「トキ!」


今まで起こった事も決して許される事じゃない、仮にも私には妻子が居る


このまま、もしこの勢いのままトキが行動するなら、行き着くのは…


「止めなさい!」

体を激しくよじるも、両腕がしっかりと固定されていて思うように動けない

トキを体の上から振り落とそうとするが、トキは私の体を押さえ付ける



目の前が真っ暗になった

トキが私に目隠しをしたのだ



「トキ…!!」



叫ぶが何も応答はない

視覚を奪われ、聴覚と触覚が敏感になる


私の上着のボタンが外された


「…トキ……」


返事はやはり無い

もう何を言っても無駄なようだ

助けを求めようにも、此処は最上階…
















トキの舌が私の首筋、鎖骨と舐め回す


そのままトキの舌は、私の乳首に移動する


「くっ……」


感じてはいけないと、自分に叱咤するも、体は正直に反応してしまう

「クロツグさん、可愛い」

トキの声が耳元で聞こえる


「止めな、さい」


私の言葉をまたもや無視して、たどたどしい愛撫を続ける


いつしかトキの舌は、私の腹部に移動する

腹筋の筋の間を、一つ一つ丁寧に舌を這わせていった




カチャリ、金属の擦れる音がした


「トキ、トキ!!止めるんだ!…私には妻も子供も居るッ!私はジュンの父親だ…!君の父親の親友でもある!」


最後の訴えだった

トキの手が、私の体から離れる



私の体から、重みが消えた






私の訴えが通じた、と安心した瞬間、口を無理矢理開かされた


「…ぐっ、ぁ…げほっ…!!」

喉の奥に指を突っ込まれ、何か液体が流し込まれた

嘔吐感が込み上げるも、トキの手が私の口を押さえ付けた







「は…あっ…」

暫く経つと、体に異常が


これはもしかしなくとも、媚薬…


トキは既に私のズボンのベルトを外し終えていた


「ん…」


トキの艶っぽい声がしたかと思うと、私のモノに予想通りの感触が走った


「トキ、くっぁ!」


トキは私のモノを口に含んだまま、頭を上下させる

「ふ、ぁ…あ!…ん、くぁ」


媚薬の効力も後押しして、私の腰は意識していなくても、トキの動きに合わせて上下に動く




トキが私が達しそうになるのを感じとったのか、私のモノを思い切り吸い上げた


「あ!…ああぁ!」


ビクンっ、と私の体が弓なりになったと同時に、達してしまった


トキの、口の中に…


その時だった、ガタン!という音と共に電気スタンドから私の両腕が外れた

行為の度重なる動きに弦が緩んだのか








「トキ…」

息を上げながらも、よろよろと私は上体を起こし、目隠しを外す








「クロツグ、さん……あの…」


目を開けると、目の前にはトキが顔を真っ赤にし、私が吐精した精液を口元から垂らしていた



「…クロツグさん、私っ…キャァ!」




……何をしているんだ、私は




視界はまたまた反転し、当初の位置に戻った

今度は私がトキの上に馬乗りになっている


次にトキの潤んだ瞳を見た時、私の理性は完全に限界を突破した















それからは、全てを忘れて、沸き上がる欲望のままに行為に及んだ

口付けもせず、トキのスカートに荒々しく手を入れ、秘部を指で確認する

指を数度、トキの秘部に差し入れした後に、トキの下着も脱がさずに、下着の横の隙間からモノを挿入した


初めて男を受け入れるそこは、きつく私のモノを締め付けてきた


トキは初めての行為に伴う痛みに、悲鳴を上げていた

それすら無視して、私はトキの腰をしっかり押さえ付けて、何度も何度も挿入した

次第に動きが楽になったかと思えば、トキの秘部から大量の鮮血が流れていた

この鮮血が愛液に代わり、潤滑油となっていたのだ






それから空が白ずんでいくまで、私はトキと体を重ねた

トキが失神しても、構わず薬の効果が切れるまで、トキを抱き続けた













夜明けて共に現れた絶望と罪悪感






数時間後、正気に戻った私は愕然とした


私は取り返しのつかない事をしてしまった


隣に死んだように眠るトキの体を見て、昨夜起こった事は現実だと思い知らされた



どうしてこうなった?






問いても、彼女は夢の中にいる











2009*02*22
ロズレイド好きです。
あと、くさむすびは弦じゃないですね^^名前の通り草やろ^^



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