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ライバルはルカリオ?! 7


「ゲン、さん…」

「トキ…」


場所はお馴染み「しょうぶどころ」

今日も今日とてゲンさんの恋愛オーラおかげで、此処はキャバクラのようです

スバリ!今日の解説はこのナタネがさせて頂きます




「ゲンさん」

「何だい?トキ」

「あの、」

「ん?」

「ごめんなさい」



「…気にしないでくれ」

「もうっ!シンユエ、ボールに戻りなさい!」

『アウッ』



前回私がトキにシンユエ君をボールに仕舞って、ゲンさんと話してくれるよう頼んだのは覚えてる?

「嫌じゃないの!ゲンさんから離れなさい!」

『アウゥ』


ズバリ!シンユエ君はボールに仕舞っても、すぐに出てきちゃうんだよね




「…私はシンユエに好かれてるのかな?抱き着かれるくらいに……段々意識が朦朧としてきたけど


抱き着くというか、呼吸器官を潰す形でロックかけてる、って言った方が正しいかな






やっとの思いでトキがゲンさんからシンユエ君を離したのは、ゲンさんの意識が完全に飛んでからだった

「もーっ、やっと離れた!本当にごめんなさい、ゲンさん…私知らなかったんだけど、いつもこんな調子だったんでしょう?ウチのシンユエが、迷惑かけてすみませんでした…」

グッ、ゲホゲホゲホゲホ、ウッ、ク!…いや、私は平気だよ?トキの事を思えば、こんな障害!って思ってたからね」


ベチンッ!!


「ご、ごめんなさいごめんなさい!…シンユエ!どうしてすぐゲンさんを叩くの!」

『ムカつくからです』

「だからって暴力はダメって教えたでしょう!」

ストップストップストップ!…シンユエ…君、喋れるのかい?!」

『…』

「まさかの無視?!」

「あら、ゲンさん知らなかったんですか?シンユエは普通に喋れますよ」


前々回のゲンさん(とスモモちゃん)の苦労は一体…


「シンユエ、酷いじゃないか…喋れるならそうと言ってくれれば…」

『貴方と話したくなかったのです』

「辛辣な理由!」

「シンユエ、いい加減にしなさい!ゲンさんに優しくしてあげなさい!!!」


トキが本気で怒った
でも、こうでもしないと一生ゲンさんとまともな会話は成立しないよねぇ…


「……トキ…そこまで怒らなくても…」

「だって、シンユエがこんな事してたら………ゲンさんとお話出来ませんよ…」

「トキ…やっぱりトキも私の事好きだったんだn」

『うっ…』

「シンユエ?」

「…という訳だ、お互いに気持ちも通じ合ったんだし、結婚しよう!………って聞いてるかい?トキ、」


シンユエ君がプルプルと震え出す

もはや、トキはそっちに釘付けになっていた
ズバリ!ゲンさんのプロポーズも聞いてない訳ね!



「トキー、聞こえてるかい?トキー、トキちゃん、トキさまー、トキたん?」


うぜぇ…って、しょうぶどころに居る全員が思っただろうね今


そんなゲンさんを余所に、トキはシンユエ君の異変に動揺していた

「シンユエ?」

『うっ……うぅ』



次第に、ポロポロとシンユエ君のクリクリした瞳から涙が流れ始めた


「シ、シンユエ!どうしたの!?」

『―嫌いか』

「え?」

『そ、そんなに、このシンユエが、お嫌いか…?』

「シンユ、エ」

『シンユエは、トキ殿を思って、そこの男を遠ざけてたのに…うぅ、なのに…なのに…』

「シンユエ、あの」

『…分かりました…トキ殿は、このシンユエより、そこの男が、好きなのですね…うっ』

「そんな事無いわ!!!」


ズバリ!ゲンさんの前でシンユエ>ゲンさん宣言しちゃったよトキ!


「えぇー……」


今だかつて見たことないゲンさんの顔、何、そのコメントしにくい表情は…


『でも、トキ殿はそこの男を庇いました、何故ですか』

「…そ、それは……」


ゲンさんの顔、今ならコメント出来る…すごい期待した顔をしてるわ!


『やっぱり、そこの男が、好、』

「ちっ、違うわ!」

「何でそうくる!!?」

『貴様は黙っていろ』


「ヒッ!」



ズバリ!度重なる暴力にゲンさんはシンユエ君が軽く手を挙げるだけで、怯えちゃうわけね


「その…ね…ゲンさんの事は…好き、だけど……その、うん、変な意味じゃ、ない、と思う………かな……?」

『ハッキリあの男が嫌いと言って下さい…毎回毎回いやらしい目付きで見てンじゃねぇよ!この変態波導使いが!!鋼鉄島に一生篭ってろ!!!って言っちゃった方が、そこの男も諦めがつくでしょうし…』

「嫌いに、かなり付加があるのは気のせいかしら?」

『それくらい言わないと、そこの男は滅びません』

「トキの口から聞かなくても、いっそ死にたい気分だよ…ハハハ」

『死ねっ』

「シンユエ…君って奴は…」

「あの、ゲンさん?」

「何だい?トキ」

「ゲンさんが私の事好きって本当ですか?」

「今更?」

「その…この前、ナタネさん達に聞いて…………ただの噂ですよね?」

ごめんなさい、変な事聞いて…と顔を赤くするトキ



「……トキ、君は、どう思う?」

『噂だと思う』

「いや、君に聞いてないよ」

「…………わ、私は」

「…」

「…………………………噂じゃなかったら良いな、ちょっとだけ思い、ました、はい……」


それって、それって!


「そ、そうか」






…あらら、ゲンさんたらすっごい嬉しそうな顔してる

スバリ!これで、一軒落着だね


「トキ、私は君が好きだ。一生君を大切にする、どんな時だって君を守る!…だから結婚してくれないか」

「……は、」



『待って下さい!!!!!』


…あら?



「な、何?シンユエ」

『いいですか、トキ殿は今まで男性と付き合った事が無いから、そんな男に揺らぐのです!』

「そんな男って、酷いな……今となっては全然傷付かないがね!

『黙れ』

「!」

まだ怯えてるじゃん…
スバリ…ゲンさん、恰好悪い



『トキ殿、私に時間を下さい』

「え?」

『私が貴女に相応しい男を捜して来ます』

「えぇ?!」

『世の中にはもっと良い男が沢山居ます!男性に初めて好かれたからって、その男と結婚するなど愚の骨頂!!!』

「シンユエ!今トキは私のプロポーズを受けたんだよ」

『まだ「は、」までしか言ってない』

「屁理屈って言うんだよそれは」

『うるさい!……とにかく、今回の事は保留にしておいて下さい!』

そう言い残すと、シンユエ君は出口に向かった

「シ、シンユエ!!何処に行くの!?」


『言ったでしょう…貴女に相応しい男を捜して来るって』

「シンユエ…」

『シンユエは、貴女が大好きだから…誰よりも幸せになって欲しいのです。決して、決してェエェ!そこのニート予備軍なんかと結婚させません!!

「(一応、バトルタワーとか雑誌とか、仕事はしてるんだが)」







『……じゃあ、いってきます』

「シンユエ!待って!一人で行くなんて危ないわ!」

『一人じゃなければ意味が無いのです!…貴女に結婚を止めて欲しいと言った私が行かなければ意味が無い!』


シンユエ君は、ドアを開けた

首に付けている、赤いバンダナをきつく締め直して


その姿は、言っちゃ悪いがズバリ!ゲンさんより男前!だった












全ては愛しい愛しい貴女の為に






シンユエ君は旅に出た
トキは、シンユエ君が帰って来るまで、いつまででも待つらしい

…ゲンさんの恋は、当分報われないかもね







2009*02*18


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