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リボン
「なんて言ったらいいかよくわからなかったんだけど」
「はい」
「おはようって言って、ごはん食べて、いってきますって言って、いってらっしゃいって言って、手をつないで、散歩して、ただいまって言って、おかえりって言って、おやすみって言って、キスしてぎゅってして眠りたい。ハルと。それでハルも俺にそうしてくれたらいいなって思う」
「ヴィリ君はカッコつけなのに肝心なところで格好つけるの忘れますよね」
「……俺かっこわるい?」
「そんなことをわざわざ気にしないときが好きです。結婚しましょう」
「えっ」
「ヴィリ君が言ったのはそういうことでしょう。格好つけずに言ってくれたんだもの、私もストレートに言います。嫌ですか?」
「嫌じゃないよ!え、でも、ああそういうことならちょっと格好つけたかったというか、せめて花くらい用意したかったというか」
「つけないほうがかっこいいです」
「……ほんと?」
「はい。それに今、花は無理ですよ」
「それもそうか」
新代表就任式典の最中のルシ出現、大量のモンスター、インフラ管理系ファルシの混乱などで周囲は瓦礫の山。
「ヴィリ君、返事してください。イエスかノーで」
「あ、ごめん。Ja.結婚しよう」
やっぱり指輪用意したかった、と呟いたヴィリ君は、私の左の手袋を外し、薬指に短いリボンを巻きました。


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