NR CR 場所は学生食堂だった。 「ロッシュ。あなた今フリー?」 「は」 ナバートは真顔だった。 「は、じゃないわよ。どっちよ、フリーなの、違うの」 「いや、その、相手はいないが、ナバート、君は」 「ああそう。じゃあいいわね。ロッシュ、来なさい」 「あ、ああ」 呆然としつつも頷いてしまった。夢ではなかろうか。 「…待てよ!」 夢ではなさそうだ。リグディが泡を食って掴んだ肩が少し痛い。 「何ようるさいわねリグディ」 「悪い、じゃねえよなんでお前らサクサクまとまってんの!?」 サクサク。展開は確かに気になる。 「どこがサクサクよトロくさいっていうのよ」 トロくさいらしい。 「ロッシュが多少鈍くても俺には驚きのサクサク感だっての!」 鈍い。リグディに言われるとなにやら腹立たしい。 「面倒ね…じゃあもうあなたも相手してあげる、それでいいでしょう、リグディ」 は? 「へ」 「だからすぐに返事しないそういうのがトロくさいのよ!」 30分後、訓練所にてロッシュとリグディは刑罰杖の餌食となった。 …お前なんであんなキレてたの データに勝てなくてイラついてたのよ! データ?……なんだこの数値は。バグか? 教官に確かめたわよ、何度も。競技会用にお行儀よくしてる時なんですって。ほんっとイラつく男だわ、この――― [*前へ][次へ#] [戻る] |