妄想圏外区域
Age Panic
太陽が昇って、沈む。
そして再び陽が昇る。
そのサイクルを一体何回…何十回繰り返したのか分からない。
結論を言うと、僕はまだ忌まわしき吸血鬼の屋敷に閉じ込められている。
助けは多分、来ない。
死と隣り合わせのヴァンパイアハンター。帰ってこないということは十中八九死に至ったということ。
きっと僕も死んだことにされているんだろう。
僕を送り出してくれた隊長の顔が過ぎる。
隊長も…、僕が死んだって思ってるのかな…。
「はあ……」
「どうした。溜息などついて」
「…あ、ガゼル君。ううん、ちょっと考え事」
「考え事?」
話そうかどうか迷ったけど、口に出した方が楽かなと思ったからか。
「なんていうんだろう…。ちょっとしたホームシック、かな」
気がついたらそう切り出していた。
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