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Oh!My?Son!?
息子、喧嘩する
「ナツルのばか!」
「シズルのばか!」
『もう知らない!!』

ぷんっとそっぽを向いた子供たちを見ていた両親は、子供から隣に居る相手へと目を向けた。
子供たちはぷぅっとほっぺを膨らまし、眉をしかめている。
その様子を眺めながらも、母も父も笑うばかり。

それもそのはず。
喧嘩しているはずの二人。
けれどその両手は繋がったままで、離れようともしないのだ。



父が読み終えたばかりの書を手に入れたナツルは、それを読んでいた。
その後ろではシズマが、母から奪ったばかりの忍具を整備している。
互いにしていることも別だし、未だ喧嘩は続行中。
なのに、やはりぴっとりと背中合わせに座っているのだ。
両親どころか、遊びに来た祖父母もくすくすとその様子を眺めている。

しばらくすると、だんだん寂しくなってきたのか、互いにちらちらと後ろを振り返りだす。
けれど素直になれない二人は、またすぐに目を逸らすのだ。
けれどまた少し摺れば互いに目が合って、少しだけ悪口言ってまた拗ねる。
子供らしい一面があったものだと、誰も止めようともしない。

だんだんと膨れっ面から、泣きそうな顔へと変わって行く。
そろそろまずいかなと思ったところだった。
すぐにシズマがぐずりだす。
それを聞いたナツルは、目じりに浮かんでいた涙をぐっと拭った。
くるりと振り返ると、ナツルの涙もぐいっと拭いさる。

「泣くなよ、バカシズマ」
「・・・うる、さい。ナツル、の……ばかぁ」

ナルトに至っては、我が子の泣き顔は意外と可愛いなんて既に思考は別の方へと流れていっていた。
シカマルは妻が楽しげなので、それだけで満足そうに妻と子供たちを眺めていた。
こんな両親を持った子供は、それだけで不幸と言えるかもしれない。
けれどそれこそ、普通じゃない子供たち。
数m先でニヤついていて、自分たちに助け舟を出しもしない親などなんのその。
今の問題は、兄弟のことだけなのだ。

「今回は、シズマだって悪いんだからな」
「だって、ナツルが・・・」

こつんっとおでことおでこをつき合せると、シズマを軽く睨みながら告げる。
シズマはむぅっと唇を尖らせると、涙のたまった目を一度だけ閉じてからまっすぐにナツルを見つめた。

「なあ、シカ。気付いた?」
「まあ、前々から」
「シズちゃんもナツくんの餌食に!!」
「ねえ、シノちゃん。二世代揃ってカップルって、素敵だと思わない?」
「そうね、シナちゃん。私もシナちゃん好きよ!」
「やぁん!私も!!シノちゃん大好き!」

きゃっきゃと騒ぎ出す大人たちを他所に、子供たちも二人の世界を作り出している。
ナツルが膨れているシズマの両頬をむにっと挟むと、シズマもナツルの頬を撫でた。

「悪かったな、シズマ。少し、言いすぎた」
「ごめんね、ナツル。ちょっとやりすぎた」

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あきゅろす。
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