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さなだくんとにおうくん
恋愛感情



「さなだー」


一人が寂しいと彼に出会うまで思うことがなかった。両親共働いていたし、姉も年が離れているせいかあまり話したことがない。弟は可愛いが、母や姉にとられて構うことが出来なかった。その後一人暮らしを始めた。だからだろうか。あまり、寂しい、という感情がわからなかった。家でも独り、学校に行っても仲良いやつはおるが、なんだか偽物の付き合いのような気がしてならなかった。(その時の俺は、それが一番寂しいことだなんて思わなかった)
一度本気であいつらに怒られたことがある。俺が女遊びをしたり、仲間なんか信じないと言ったりしたからだ。丸井は泣きながら怒った。赤也はただ泣いていた。柳生には殴られた。ジャッカルには困ったような笑顔を向けられた。柳は赤也を慰めながら、本当なのかと聞かれた。幸村には、それどもお前は仲間だと胸倉掴まれて言われた。真田には、


「真田には頭を撫でられたのぉ…」


あの厳格な真田がそんな事をするとは思わなかった。そしてなぜ撫でたのかもわからなかった。だけど真田の手は暖かくて思わず泣き出してしまった。子供みたいにわんわんと。真田は俺が泣き止むまで撫でてくれた。他のみんなは俺と一緒に泣いてくれた。その時初めて偽りを感じなくなった。大切な仲間だと思うようになった。ただ一人を除いては。


ピンポーン


「真田!」


「むっ!なんだ仁王、どうかしたのか?」


「んーん。こっち、こっち来て。」































恋愛感情
(その時出来たもう一つの気持ち)




あきゅろす。
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