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3万打企画
幸村夢 蓮華様リク



テニス部部長、神の子。そんな俺の異名や肩書きだけを見るんじゃなくて、本当の俺を俺の姿を見てくれる子に出会った。あれはひと月前、部活が終わった後、突然雨が降ってきた。


「うっわ最悪、おいジャッカル傘入れてけ。」


「俺かよ!まぁ、いいけどよぉ…」


部員達もこの雨は予想してなかったみたいで、友達に入れてもらう者、置き傘をさして行く者、家が近いのか走って帰る者も居た。1時間もするとなんだかんだあれだけ居た部員達も帰ってしまって部室には俺と赤也しか残っていなかった。


「赤也は帰らないのかい?」


「うっス、傘持ってきて貰うんスよ。もうすぐ来るはず…」


赤也の言葉を遮ってコンコンと控え目にノックされて入ってきたのは大人しそうな女の子だった。


「なまえ!」


「赤也、傘持ってきたよ。」


穏やかに笑う彼女に心を奪われた気がした。後で考えてみるとこれが一目惚れかとも思ったけど、この時の俺はそんな事も考えられない程に彼女に見とれていた。


「赤也、その人は…?」


「あっ!幼なじみのなまえっス!」


「はじめまして、みょうじなまえです。」


「初めまして、幸村精市です。」


「あなたが幸村さん?」


「え?」


「あっごめんなさい。いきなり失礼でしたよね。赤也や友達の話によく出てくる方だったから。」


「…ねぇ、赤也。余計なこと言ってないだろうね?」


「はいぃ!めちゃくちゃ強い黒部長って言ってるっス!」


「ふーん、黒部長ねぇ。」


「あ…そそそそれは…」


その後、赤也にお仕置きをしている間も彼女は穏やかに笑っていてそれがなんだか雨の音と共に心地よかった。


「幸村先輩。」


「ん?あっ、なまえちゃん。こんにちは。」


「こんにちは。あの、今日庭園に行ってもいいですか?」


「ふふっ、勿論だよ。」


あれから俺はなまえちゃんに何かと理由を付けては会いに行った。彼女は花が好きでガーデニングをやっているらしく共通の趣味も持てた。


「ねぇなまえちゃん。突然なんだけど笑わないで聞いてくれる?」


「?はい、なんですか。」


「俺、なまえちゃんのこと好きだよ。」


返事を聞くのが怖くてそれだけ言うと逃げてしまった。後日、彼女がどんな返事をしたのかはまた別の話。


































片思い
(わ、私もすす好きです)



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