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君と、告白



「ブンちゃんそれちょうだい。」


「もぐも…ああ、いいぜ。ほれあー。」


「ん、んー!やっぱりブンちゃんの卵焼きは美味しいね。」


「そうか?別に普通だろぃ。」


まーくんやブンちゃんを通じて、精市くんや蓮二くん、弦一郎くんとも仲良くなった。最近は一緒にお昼ご飯を食べることも多くて嬉しい。


「ねぇ、丸井。なんだいそれは。」


「え、それ?」


「ききき貴様ら飯は自分で食わんか!食べさせてもらうなど…たたたたたるんどる!」


「ああ、そうゆうこと。でもなぁ、なまえ。」


「いつもこんな感じだよ?」


ぴと、と後ろからくっついてくるまーくんは私の作ってきたお弁当(勿論焼き肉弁当だ)を食べながらぽやぽやとしている。今日は暖かいし、眠いのかな。


「いつもって、お前達はいつから一緒に居るんだ?」


「いつから…」


「「生まれた時から?」」


「うちの母ちゃんとなまえん家のおばさんが親友同士なんだよ。」


「だから、お家もお隣さんだし仲も良いの。」


「なんかもう兄妹みたいに育ったよな。」


「うん、小さい頃は本当にいつも一緒だったよね。」


「なるほど…」


懐かしいなぁ、小さい頃私は泣き虫で近所の男の子達によくいじめられたりしてた。その度にブンちゃんが守ってくれて、私の好きな苺味の飴をくれて慰めてくれた。


「へぇー…なまえちゃんは丸井が好きなんだね。」


「うん、好きだよ。ブンちゃんは家族みたいなものだもん。」


ピクッ


「なまえちゃんなまえちゃん、俺は?」


今までぼーっとしていたまーくんが突然喋り出した。ちょっとびっくりしたよ。まーくんのことも勿論好きだから、好きだよと答えるとへにゃとした可愛い笑顔になってくれた。


「ぷっ…仁王もちゃんと人間だったんだな。」


「お前さんらに言われとぉない。化けモンみたいな強さしとって。」


「それは、テニスだけだろ。お前はすべてにおいて謎なんだ、まぁいい。真田、柳そろそろ行こうか。」


「ああ、そうだな。」


「うむ、ではみょうじまた。丸井と仁王も部活に遅れんようにな。」


精市くんと弦一郎くんと蓮二くんはそう言って行ってしまった。まだ授業まで時間があるのに、何か用事でもあるのかな?ブンちゃんもジャッカルくんの所に行ってしまったし、最近ずっと賑やかにご飯を食べたりお話をしたりしていた分みんなが居なくなるとなんだか寂しい。


「わがままになったなぁ、私。」


「どこが?」


ぼそっと小さく言ったことだったのに、まーくんにはばっちり聞こえていたらしい。まーくんと友達になってから沢山の人と友達になった。今まで遠巻きにしか見ていなかった人達とまさかこんなに親しくなれるとは。私にとって彼らは別の世界の人達できっと関わることがないんだなって思ってた。でも今は友達になれて、きちんとその人を知ることが出来て嬉しい。昔の私なら友達になれただけで満足してたと思うのに今はもっと一緒に居たいって思ってしまう。


「わがまま、だよね。」


「だからどこがじゃ?」


「えっ?」


「なまえちゃんが俺達と一緒に居たいって思っとるように俺達だってなまえちゃんと居たいんよ。じゃからそんなん我が儘やないし俺はそう思ってもらえて嬉しいぜよ。」

「まーくん…」


「なまえちゃん、大好き。」


「ふふっありがとう、私もまーくんが好きだよ。」


「違うんじゃ、なまえちゃん。俺の好きは、愛してるの方…」


私が何かを言う前に唇に彼の唇が触れて話すことが出来なかった。まーくんに告白されただとかこれってファーストキスだとかそんなのを考えることも出来なくて、ただただまーくんを見ていることしか出来なかった。その時の私の心臓は壊れそうな程に動いていた。

































君と、告白
(なまえちゃん、好いとぉよ)


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