ありがとう 仁王
さようなら 続編
中庭で寝ていると青い紙飛行機が飛んできた。何故だかそれが無性に気になって思わず手を伸ばす。それはどこからどう見ても普通の紙飛行機で、でも誰かの作り方に似ているような気がした。
「だる…」
午後の授業のために教室に戻ると、後ろから肩を叩かれた。
「仁王くん、柳生くんが呼んでたよ。」
幼なじみのなまえじゃった。なまえはそれだけ言うと自分の席に着いた。仁王くん、その呼び方に違和感を感じる、今までずっと雅治やったのに。俺となまえとの距離がまた離れてしまった。俺が故意に避けているのをなまえは知っとったからもう我慢出来んかったんやろう。でもそれでいい。俺の気持ちに気づかないまま、幸せになればいい。
「やっぱ、サボろ…」
青色の紙飛行機が誰からのメッセージかその時の俺は気づかなかった。
ありがとう
(その言葉が届いたと彼女もまた知らない)
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