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さようなら 仁王



季節はずれだけれど、私は今日卒業する。卒業と言っても色んなものがあって、学校であったり、玩具や洋服であったり人様々だ。私は、仁王雅治という人間から卒業する。人から卒業なんて意味わからないかもしれない。大体にしてはっきり卒業とわかるものでもないし、誰かにわかるものでもない、ただの自己満足だ。それでも卒業しなければと思う。きっかけは何だったのかよくわからない。彼女と一緒に歩いてる所を出くわした時か、名前を呼ばなくなった時か、一緒に遊ぶことがなくなった時か。どれも当てはまらないような気がする。ただなんとなく寂しかったのかもしれない。知らないうちに離れていってしまったから。彼のことは大好きだった。それは恋とかじゃなくて、大切な友として。分かりづらいけれど優しかった、よく相談にのってくれた。徹夜でゲームしたり、焼き肉を食べまくったりもした。ああ、卒業となるとどうして人は色んな思い出が出てきてしまうんだろうか。思わず感傷的になってしまう。


「よし、出来た。」


学校の屋上で紙飛行機を一つ飛ばした。彼が好きだった青色の折り紙で、中にありがとうと書いて折った自信作。誰に渡るかわからないけどそれでいい。もう私は彼から卒業したのだから。




























さようなら
(明日はまた)(はじめましてをしよう)



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