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詐欺師の涙 仁王



「よお、」


「にお、う?ちょ、あんた今合宿中じゃなかったの!?」


「んー…帰ってきた。」


「帰ってきたって…」


そういえばブン太がメールで今度の合同合宿は敗者切り捨ての掟があってまるでどっかの学校みたいな仕組みだと。自分はジャッカルと戦わなくてすんで良かったと言っていた気がする。


「仁王は負けたの…?」


私はひどいことを言ってるのだろう。でもこいつには直球で物を言わないといけない、特にこんな時は。


「お前さんには、お見通しじゃったか…」


「うん、だって親友でしょ。」


「そうやね。俺な、全力出したんぜよ。柳生が相手だったきに負けられん。あいつにはいつもかなわんかったから勝ちたかった…」


勝ちたかったんぜよ、と仁王は声を震わせながら呟いた。ああ、やっと泣いた。ずっと見てきた、仁王が柳生とテニスをしている所を。雨の日も風の日も二人はテニスをしていた。家に帰っても仁王はテニスをしていた。仁王にとって柳生は親友であり一番のライバルだから、負けたくなかったんだ。


「頑張ったね。」


所詮私はそんな言葉しかかけられなかった。仁王の努力も戦う姿も一番近くで見ていたのに。悔しい、私は何にも出来ない。


「うんあんがちょ、なまえ。」


だけど仁王は優しいからきっと私のおかげで頑張れたとか、勝てなくてごめんとか言うんだ。





























詐欺師の涙
(今だけは)(手を繋いで居ようか)




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あきゅろす。
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