[携帯モード] [URL送信]

明日はどこから
4



「ふんんっ!?」


「頼むから騒ぐな。あとカーテン閉めろ」









驚いて振り向けば、声の主はなんと倫だった。



え?は?
なんで居んの?学校は?
つーか土足!汚れる!やめろ!




…言いたいことは山ほどあったけど、顔をあげた瞬間、全て頭からすっ飛んでいった。

目の前の倫が、今までになく動揺した顔をしていたから。
俺は言われるがままに動くことしかできなかった。



内側のカーテンまで閉めてから、倫はやっと
俺の口元を解放した。











「あ……の…?これはどういムグォ」


「何度も言わせんな。ちょっと厄介な奴が来てんの」


「ぶはあっ…厄…え?ていうかこの体勢は………?」


「あ?…あ、いや…悪い」


「へ?あ、いやいや……」















って何だこのやり取り。

や、倫が後ろから口を塞ぎながら俺をこう…抱きしめてるみたいにするもんだから………って。





あ。











倫は、俺を抱きしめていた?

ってことは、…ってことは……



















倫は今、超絶に不安な気持ちでいっぱいだってこと………………………だよな?











…本当に何があったってんだ。
倫が俺に安心感を求めるまでだなんて。

……どうしよう。
目の前にこんなに不安になってる人がいたら、流石に何もしないわけにもいかないじゃないか。
増してや、それが倫なんだから。


俺が知っている、相手を安心させる手段。
こないだの成果を、実践するときが来たってことですかい。
うお、成長した!俺成長したなあ!



じゃなくて。

とにかく倫を助けてあげなきゃならない。


















俺は離れる倫の腕を正面から掴んで、自分の方へ思い切り引き寄せた。










[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!