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明日はどこから
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施錠をしているとき、ふと思う。


…あいつは、本当にここへ帰ってくるのだろうか。



だって、いや、そう思うだろ普通。
何か気に食わないことが元居た寮であって、たまたまふらついてたところを真尋さんに拾われて。ついでに俺の部屋に来て。
何もかもが倫の気分次第に成されてきた気がするのだ。
昨日の今日であいつの胸中が掴めたんなら、こんなに疲れはしない。振り回されっぱなしだ。

今日、学校に行ってたまたま良いことがあったら、倫は大人しく寮へ帰るんだろうか。
そんで、これからずっと、俺とは縁の無いところで生きていくのだろうか。


一期一会、って四字熟語があるけど、本当にあいつは一度きり、俺の目の前を通り過ぎただけの存在なのかな。





…そうだとしたら、すごいなあ、って思う。

一瞬でも俺に新しい感情を与えていった。
一瞬でも俺と気持ちを通わせた。

一瞬にして、そいつは色とりどりにこの日差しの空間を飾っていったんだって、今、改めて思う。
なんてすごいことなんだろう。
…少しどぎつい色味に思えるけど。

五條倫は生まれた時からそういう人間だったのか。
それとも俺が…………








…お、れ…が?なんだ?

うまく言葉にできない。
きっと語彙力の限界だろう。南無三。



















パソコンの前に戻って、ぱしっと頬を叩く。
さて、近見さんの激励も受けたことだし!
頑張るぞー!


キーボードを打ち始めた俺の心中に、嵐が過ぎ去った後のような空洞がぽつりと出来ていたことに、俺は多分、気づかない振りをしていたんだろう。










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