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明日はどこから
5


は。
何言ってんだこいつは。
さっきから俺の知らない世界の言葉ばっか使ってくるのは何だ、ジェネレーションギャップってやつか。
…歳二つしか違わないのに。






「……襲われるって何だよ。言っとくけど、俺は族には手ェ出したことねえからな」


「言うと思った。そういう意味じゃねえ」


「じゃどういう意味だよ」


「ホモに強姦されたりしなかった?ってこと」


「んな!…………」








なんてストレートな表現なんでしょうね。

……実際否めないのが困る。
一回あるんだな、これが。未然だけどね。
いつだったか、そういう噂が大規模に学校に
流れて完全に他人事だと思ってたら案外そうでもなかった、って話。
まあ何も、変な言い方をすれば流行ってやつだったから、そんなに俺の心を傷付けるだとか、そんな出来事じゃなかった。

俺のハートはご覧の通り、鉛で出来てます。


倫は言葉を濁した俺を見てやっぱりな、といったように軽くため息をついた。
やっぱりってなんだ。


あ、ていうか。








「そういや、お前……ホモなの?」


「死ね」


「いや、だってお前さっき」


「俺はただどっちもいける口なだけだ」


「うわ…マジかよ…」


「…俺の学校はそんな奴ばっかりだ」


「共学なのに?」


「男子部と女子部があるから。寮も同じ」


「……ふうん。よく分かんねえや」


「あんたはそれ以前の問題だ」


「……?」


「ま、いいや。あんたようやく眠そうになってきたし、寝れば?」


「あー…そうす…る…」











居候のくせに生意気なそいつの言動が妙に気に食わないところもあったが、悪いのは口だけだし、変態を除けば家事スキルの高い使える奴だと思うし。
まあ、同居くらい許してやってもいいかな、と。


遠のく意識の中、俺はそう思ったのである。









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