明日はどこから 5 はっ! そうだ真尋さんに問い合わせ殺到(主に俺から)キャンペーン開催しなきゃじゃん! 俺は五條を置き去りに一階の真尋さんの部屋の前まで駆け込み、チャイムをひたすら押しまくる。 「うるせえェェ!!」 まあ、速いこと。 真尋さんは一瞬にして扉を勢い良く開き、俺はそれを華麗に避ける。 「真尋さぁん!あいつ誰ですか!?なんで俺の部屋に連れてきたんですか!!」 「は?ちょうど良いだろ。毎朝毎朝…俺はもう疲れたんだよ!お前を起こすのに!」 「起こせなんて言った覚えないですよっ」 「あんだとてめえ、掃除もメシも、全部人任せにしてたのはどこのどいつだと思ってんだ、ああ?」 ……俺ですね!はい。 よくよく思い返してみると、結構思い当たる節がある。 結構…?ってかほぼ毎日??ありゃ。 「あいつ寮生活だっつってたしよ、家事とかできそうだろ」 「そりゃあ、そんな特典付くんだったらやらせたいですけど…」 「…何お前、高校生にナメられてんの?」 「違います!えっとですね…何というか…」 色々嫌なんですよ! とね、言いたかったんだけども。 真尋さんはじゃあよろしく、と言ってバタンと扉を閉めちゃったんだ。 あー、もうめんどくせえ。 何もかもが!めんどくせえ!! 自室に戻ると、何やら良い匂いがした。 それにジュージューと何かを焼く音。 慌ててキッチンに行くと、五條が料理をしているじゃないか。 …マジで有能だった。 「な…なに作ってんの…?」 「チャーハン。腹減ったから」 「あの…もし住むんだったら…できれば毎日作ってくれませんか……」 「…気分によるな」 「あーそれでもいいや…。それよりそれ、俺も食っていい?」 「別に」 「わああい!ありがとー!」 「………」 あれ。 さてどうしたもんか。 …五條くんの顔が怖いです。目を見開いて俺を見降ろしています。 何はともあれ、見降ろされる気分はあんまり良くはない。 なので逃げるように食器を持って机の方へ移動した。 そんなに間も無く、五條は俺のあとを着いてきて、俺の向かい側に座る。 「いただきます!…あー、うめえ」 まあだいたい見た目で分かっていたが、五條の料理はとても美味しかった。 これなら、こいつをこの部屋に置くのも悪くないかもしれないな。 そう思った次の瞬間、ゴン!と頭を床に打ちつけられる。 [*前へ][次へ#] |