オレンジの涙
分からない
「「できたぁ」」
三人で声を合わせて言ったあとに、早く食べよとあたしが催促をした。
ケーキをカットしてそれぞれに、ケーキを渡しに行った。
あっ……
そうだ。
あたしは、ケーキをカットしたものをディーノさんに持って行った。
「俺にくれるのか??」
「いらなかったですか??」
なんとなく嫌だったのかなぁ…
と思って尋ねると、あたふたとしていた。
「……??」
「あっ…いや。ありがとう」
「いえっ…美味しくないかもしれませんが……」
そう言うとニッコリ笑って、そんなことはないよ…と言ってくれた。
嘘でもなんとなく嬉しかった。
それが恋だとはまだあたしには気づきはしなかった……
それから数日がたって、そろそろイタリアに帰らなくてはならなくなったらしいが、全く聞いていなかったので、知らない間に帰っていた。
「教えてくれたって言いのに…」
「まぁ…ディーノさん忙しい人だからね」
知ってるよ…。
マフィアのボスなんでしょ??
詳しくは教えてくれないけど…。
もちろんツナに詳しく聞こうとしても…
「さくらには言えない。巻き込みたくない…」
の一点張り。
でもツナが切なそうに、そう言うから…そのあとは、なんだか聞けないし、聞いちゃいけない気がした。
でも最後にいつも……
「きっといつかはさくらに話せるときが来るから、それまで待ってて??」
と付け足して話す。
こんな事言われると聞けない。
それに切なそうに言うツナを見たくはなかった。
なんか…
心がくしゃくしゃして……自分じゃないみたい。
考えれば考えるほど、訳が分からない。
こんなときって…どうしたらいいの??
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