課外授業 その後
※Shortnovel課外授業のその後です。こちらも課外授業同様、会話文のみになります。
課外授業本編はその他区分でしたが、こちらはBLになります。ご注意ください。
「先生」
「す、鈴木君」
「おはようございます。今日も愛しています」
「ちょ、止めなさいとは言いませんがせめて場所を選びなさい! 私たちを掻き分けて登校中の生徒が」
「まるで蟻の行列の間に障害物を置いた時のような状態になっていますね。ははは」
「例えは非常に解りやすいですね。ところで鈴木君」
「何ですか?」
「……この間の返事は、したほうが宜しいでしょうか?」
「そうですね。ハイと二文字言っていただければそれで終わりますからね」
「え」
「ありきたりで嫌ですか? それなら、イエスの三文字でも良いですが」
「ダァー。ちなみにロシア語ですが」
「ハラショー。その言葉、受け取らせていただきます」
「間違えました。ロシア語でいいえは……」
「何故ロシア語にこだわるのか解りませんが、ダァーは訂正不可です」
「鈴木君。私は教師です」
「はい」
「貴方は生徒です」
「はい」
「そして私は、定年まで教師でありたいのです」
「遠回しに言わないで下さい」
「では真っ直ぐに行きましょう。鈴木君。貴方の想いを受け取る事はできません。何故なら、私と貴方が教師と生徒である以前に、私は異性愛者です。同性愛を否定するわけではありませんが、当事者ともなれば話は変わります。
鈴木君。今すぐ私を諦め、貴方を頬染めながら見つめるあの生徒へ意識を向けなさいとは言いませんが、こんな教師である以外取り柄のない男の事など忘れ、光り輝く未来を行くべきです」
「ええと、確か、――鈴木君。君のその恋が成就することを心から願っています。――でしたよね?」
「……それは」
「『鈴木君。君のその恋が成就することを心から願っています。』」
「うぐ! あの時の会話を録音していたのですか?! 何故ボイスレコーダーなど持ち歩いて……止めなさい! 音量を最大にするのは止めなさい!」
「先生」
「はい」
「先生は異性愛者であるとおっしゃられましたね。しかし僕もゲイではありません。同性を愛するのは、先生が初めてなんです」
「……はあ」
「つまり、先生も今は既成概念に捕われて否定したいだけなんです。良いじゃないですか、三十歳でも新しい扉を開けます。教師と生徒の隠れ愛。男同士の情事。溺れてみるのも経験だと、そう思われませんか?」
「既に耳を大きくして私達の会話を聞いている生徒が多数いるようなので、既に隠れ愛ではありませんが」
「先生」
「はい」
「僕は先生を愛しています。今すぐ触れたい、抱きたい、喘がせたい」
「……とうに腕を絡められているように感じていたのは、私の気のせいでしょうか」
「先生」
「はい」
「まだ卒業まで時間はありますから。必ず先生の処女を僕がいただいて見せますから」
「鈴木君、私は男ですが」
「それまで、誰にも身体を許したりしないでくださいね。そんな事になったら、僕は誤ってこのレコーダーの中身を校内放送に掛け教育委員会に提出しかねません」
「……」
「今は」
「え」
「ここまで、です」
「…………し……周囲の悲鳴は私には聞こえない私は何もされていない私は健全私は」
「次は先生の元気な分身に、濃く深く絡み付くオプション付きで贈らせて下さい」
「止めて下さい!!!」
続く?
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