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‐028‐

「あ、そういえばさ、ルフィルさっき純血が馬鹿な自慢だとか言ってたけど…」

 部屋着に着替えてふと疑問に思ったことを訊いてみれば、

「そう!そうなのよ!!」

 なにか決意に燃える目をしたルフィルがそう返してきて。

――あー…要らんこと訊いた…

 結悟はデジャビュを覚えた。


魔法学校隠密乱入記 ‐028‐




「だってバカなことだと思わない?血筋なんて生まれてくる人間には選べないじゃない!それを誇りに思って、しかもちょっと変わった力を持っているからって持っていない人たちの事をまるで人間じゃないみたいな言い方するのよ!?」

 眉を寄せて苦々しげに言い放つルフィル。

「しかも、マグルの血を引いてる、そうじゃなくてもマグルと親しくしてるってだけで奇人変人扱い…同じ魔法使いじゃない。
 …それに濃過ぎる血は災いを呼ぶの。」

 きゅ、と唇をかむその表情は、幼さゆえの周りへの反発心だけでないものが含まれていた。話を聞く限りではレイチアード家と言うのは純血の旧家らしい。

――でもルフィルは、マグル生まれの人と親しくしていた。そこを周りの大人たちに嘲笑われて引き離されたってところか…?

「純血に意味も価値もない…そんなのを誇るなんてバカ以外の何者でもないわ…」

 両手を膝の上で握りしめて、先ほどのハイテンションが嘘のように項垂れる。そんなルフィルに結悟は溜め息を吐いて、

「なんつーか、この年にして魔法使いの在り方根本的な問題にぶち当たってんね…」

「根本的…?」

「鶏が先か、卵が先か…ちょっと違うな。魔法使いありきか徒人ありきかってとこか?
 初めに魔法使いがあったなら、徒人は出来そこないか異端だ。それをはじくのは種としての、動物としての本能と言ってもいいかもしれない。
 けれど初めに徒人があったのなら、魔法使いこそが異端。少数派が、自分達こそがと考えて無理矢理ポジティブになった結果の選民思想、そこからの徒人差別に発展したなら純血主義者はただのイタい集団になる。
 …言い分は解らんでもないから真向否定もできないんだけどさー。」

 ばふ、と腰かけていた状態からそのまま後ろに倒れてベッドへダイブ。


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あきゅろす。
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