‐025‐
グリフィンドールに行くならば、勇気あるものが住まう寮。勇猛果敢な騎士道で、他とは違うグリフィンドール。
ハッフルパフに行くならば、君は正しく忠実で、忍耐強く真実で、苦労を苦労と思わない。
古き賢きレイブンクロー。君に意欲があるならば、機知と学びの友人を、ここで必ず得るだろう。
スリザリンではもしかして、君はまことの友を得る。どんな手段を使っても、目的遂げる狡猾さ。
かぶってごらん!恐れずに!興奮せずに、お任せを!
魔法学校隠密乱入記 ‐025‐
歌い終わると広間にいる全員が帽子に拍手を送った。帽子は四つのテーブルにそれぞれお辞儀して静かになった。
――うーん…グリフィンドール贔屓だなぁ、作者…
偽善者で目立ちたがり、忍耐強い努力家、知識欲が強い勤勉屋、手段を選ばない仲間思い…精一杯グリフィンドールを貶めてみるとこんな感じか、と考えてみる。
――そう考えてもそれぞれどこにも片方しか当て嵌まらないんだよなー…
偽善者だが目立ちたくはない。忍耐は平均以上だと思うが努力とは言い難い。知識欲は底知れないが勤勉などとは程遠い。手段など自分が最善だと思えば択ばないが仲間思いというかそこまで思う仲間もいない。
《…お前それ本気で思ってんのか?》
――ん?まあ偽善者だと言われても仕方ないとは思ってるよ。仲間思いとか言われてもねぇ…
《…あー、そうか。お前がそう思ってんならもういいわ。》
心底呆れたような瑞月の声に疑問を抱くが、マクゴナガルの声にそれもどこかへ行ってしまった。
「ABC順に名前を呼ばれたら、帽子をかぶって椅子に座り、組み分けを受けてください。」
「アボット、ハンナ!」
頬を桃色に紅潮させたおさげ髪の少女が転ぶように前に出て来た。
彼女が被ると、帽子はすっぽりと目まで隠してしまった。座って一瞬の後、
「ハッフルパフ!」
帽子が叫ぶ。右側のテーブルから歓声と拍手がはじけ、ハンナはそのテーブルに着いた。
「ボーンズ、スーザン!」
帽子がまたハッフルパフと叫び、彼はハンナの隣に座った。
「ブート、テリー!」
「レイブンクロー!」
左から二番目のテーブルから拍手が沸いた。
次の“ブロックルハースト、マンディ”もレイブンクロー。その次の“ブラウン、ラベンダー”はグリフィンドール。“ブルスロード、ミリセント”はスリザリンに。
「ディグリンハイド、レオン!」
――お?
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