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「あ、りがとうございます…。」

 “返す”そう言われ、なんだか変な気分になった。これは祖父の物だが、自分の物。自分の物というよりは、自分に与えられた物。
 ちょうど、お年玉の金額が思いがけない大きさだった時のあの、嬉しさと驚きと戸惑いがないまぜになったような気分だ。

「おお、そうじゃ、すっかり忘れておった。」

 そんな時、唐突にダンブルドアが言った。

「ユイゴ、何か要るものはあるかの?」

「…は?」

「わしからの入学祝いじゃよ。」

 …この人は何をしたいのだろうか。いきなりシリアスに持って行ったかと思えば、今こうして雰囲気をぶち壊してくれている。

――んー…まあでもきっと、全部わざと、なんだろうなぁ…

 そしてそれは、結悟への気遣いでもあるのだろう。ふとそう思って、苦笑。

「えーと、要るモノ、ですか…冷蔵庫と壁紙が欲しいですね。」

 それを聞いたダンブルドアは、破顔したかと思うと次の瞬間にはあろうことか声を上げて笑い出した。

――えー…っと?どういう事…?

 茫然と立ち尽くしてダンブルドアを見ていた結悟だが、はっとして、

「ちょ、アルバスさん?!いきなり何で…てかアタシそんな面白い事言いました?!」

「いや、いや、すまん…あまりにも予想しとらんかった答えじゃったからの。」

 わざとらしく目元をぬぐいながら言うダンブルドア。

「…じゃあアルバスさんはアタシが何を欲しがると思ってたんですか?」

「そうじゃのう…ユイゴ程の歳であれば服か装飾品かと思うておったのじゃが…。」

 そう言ってまた少し笑うダンブルドア。

「よい、よい。ならば飾り気のない物が良いかの。」

 色は白にしようか、とダンブルドアが言う。

「あ、はい、お願いします。」

「承知した。ではユイゴ、ミヤビにしもべ妖精の入出を許可させておいてくれんかの。」

「解りました。」

 そうしてダンブルドアが杖を振ると、ティーセットがフッと消えた。結悟は一礼し、ミヤビの絵扉を思い浮かべ、鈴の音と共に校長室を後にした。


部屋に戻ってミヤビにその旨を伝えると、案の定嫌な顔をされたのはまた別の話。






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あきゅろす。
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