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「“校内で姿現しは出来ない”んですよね。」
結悟はカップをソーサーに戻し、ダンブルドアに言う。
「左様。先ほどミネルバも言うておったの。しかし何事にも例外はあるのじゃ。
この場合はおそらく、そうして発動した君の能力が何かによって増幅され、そしてまたその何かによってここまで運ばれたのじゃろう。
…そう、違う世界から、ここへ。」
「!?」
がたり、思わず立ち上がる。
「解る、んですか…?」
「解るとも。君はわしらとはすこーし違う。それに、魂と体が合っておらん。
考えられるのは、違う世界から紛れ込んだと言う事じゃ。」
「…やけに、ざっくりしてないですか?」
「そうかの?」
「…まあ、いいですけど…。」
まるで当然のように言ってのけるダンブルドアに、若干の不信感を抱きつつも結悟は座り直す。
「そうかそうか。おお、そうじゃユイゴ、君の歳を訊いておらんかったの。」
「歳…って、えーと、17です。」
「ふむ…ではその体は?」
「え?…えーと、単純に年号考えて十年前なんで、7歳くらい、だと思うんですけど…。」
結悟はそう言ってまた、右掌を目の高さに翳す。
――7歳…小1?小2?こんなんだったか…?
「…何歳に見えます?」
「そうじゃのう…単純に背丈を見ればそのくらいじゃが、雰囲気の所為か10歳くらいに見えないでもないの。」
そもそも日本人は幼く見えるからのう、と朗らかに言ってのけるダンブルドアに結悟はちらっと殺意を覚えないでもなかった。
――どーせ日本人は童顔チビだろうよ。
「うむ。これならば問題なかろう。どうじゃ?ユイゴ、ホグワーツに入学せんかの?」
「…は?いや、何がどうなってそうなるんですか?」
「なに、心配することは無い。入学金その他はこちらで負担できるのじゃよ。」
あくまでも朗らかにダンブルドア。
「ああ、そんな制度あったな…って違う!!
仮に入学したところで夏休みどこで過ごすんですか?!」
だんっ、とテーブルに両手をついて抗議。ここまでとんとん拍子で進むなどおかしい。
「それこそ心配する事でもないじゃろう。ホグワーツ城に住めばいいのじゃ。」
「ほぐ…は?」
――さっきから疑問詞ばっか言ってね?アタシ。
脳の冷静な部分がそう呟いた。
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