、
「これも…これも。もしかして彼のファン?」
「っ…えっと、はい…その、」
「いいよね、彼。僕も大ファンなんだ」
「………え」
「最近は新作が出なくて残念なとこだけど嬉しいな。同志…ってことだよね」
「そ、そうですね…っ」
あぁああ…っ、僕は今普通に出来てるだろうか?
大ファン?未來先輩が僕の本を読んでくれている?どうしよう、恥ずかしすぎて手元が覚束ない。
僕は大事そうに棚に片す未來先輩の少し後ろで、ただ並べられていく本を眺めていた…。
◆
「……こんなもんかな。本、まだこんなにあるんだね」
「はい、何だかんだで…」
「ふふ、あるよねそういうの。……ああ、もうこんな時間か」
「あっ、え、嘘!ごめんなさい、僕気がつかなくて…っ」
なんてことだ、外は赤い空に変わり、時計を見るともう5時をさしている。こんな時間まで付き合わせてしまった。
僕はただそのことに後悔してしまい、そんな僕を見て未來先輩が笑っていることに気づくのに、時間がかかってしまった。
「あ、あの…」
「ははっ…ごめ、大志くんは謝ってばかりだね」
「あ、ごめんなさっ…ぁ、」
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