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 返事はしたけれど、畏まるなという方がムリだ。
 荷物の散乱した部屋に、バンダナで綺麗な髪をひとまとめにした未來先輩がいる。これは異様な光景だ。
 蛾の中に鮮やかな蝶が混ざっているような。

 僕はまた彼に見とれてしまい、それにカツを入れ片付けを再開した。
 大量に持ってきたハンガーに服をかけ、クローゼットの中へ適当にしまっていく。下着の入った箱を未來先輩に見られたときは、いいようのない恥辱に襲われてしまった。







「ふぅ…」

「結構片付いたね。荷物も種類としては少ない方だよね…?」

「え、あ、そうかもしれないです」


 僕の荷物を大まかに分けると、服、本、食器類、歯ブラシなどの日用品といったところだ。
 アクセサリーなんて煌びやかなものは僕と無縁だし、漫画を読まないからキャラクター商品を買うこともない。小物なんてなおさらだ。
 この年にしては少しつまらない部屋だろうか?


「綺麗に片付いてて羨ましいよ」

「そんな、今片付けたばかりだからですよっ!」


 事実僕の前の部屋は本で溢れたまま片付けることはなかった。



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