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「手ぇ洗ってうがいしたらまずは鍵。カバンに入れとけよ?」
「やーわりぃわりぃ。食堂で使うわけじゃないからどうしてもさぁ」
「使ったらカバンにしまえばいいだけの話だろー?…あ、洗濯物あったら出しとけよ」
「おー」
「すぐご飯にするからなー」
洗面所に消えていく陸に声をかけながら、出来かけていた夕飯に手をつける。今日も美味しく出来た…と思うんだけどな。お皿に盛り付けて机に並べ、陸がちゃんとカードキーをしまったのを確認してからいただきます。
「……ん、ほぉひぁはー」
「ちょ、ちゃんと食ってから話せ。ご飯粒飛んでるっ」
「んぐ、わり。そういやさ、聞いたか?」
「……何を?主語をいえ主語を」
「鍵が変わるって話!なんか指紋認証になるらしいぜっ」
「指紋認証?…え、マジ?」
「マジ。先生たちが話してたし」
それはそれは…またハイテクな。最近そっちが重視されてきたからいつかは…とは思ってたけど、こんなに早く話がくるとは思ってもみなかった。でもどうやらこの話は本当らしく、それから数日後、夏休み中に全部取り替えるという話を先生から聞くことになる。
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