4 ぜひぜひ!なんていってる雨音だけれど、血だらけの卯月を見て内心ヒヤヒヤしてるのは、彼だけの秘密だ。 玄関にいた卯月に雨音は突進し、そのままだったため卯月は雨音を持ち上げてリビングに移る。 その間、雨音は高い高いと喜んでいた。 ──ピタッ 「………ん?止まった、到着ー到着ー?」 「なんだ…………これは……」 「あ、忘れてたっ。みみ、見ちゃダメーッ」 「……………うわ…」 慌てて卯月の目を隠す雨音。 持ち上げられているから顔ごと抱き締め、卯月は困ったような声を出した。 でも嬉しさが隠しきれてないのも事実。雨音を支えている手に力が入った。 「うー……卯月見た?」 「…………ああ」 「ちぇっ、忘れてしまえ。えいこらっ」 「いてっ……雨音、ちょ…」 「とゆーか降ろせ。見られたものはしゃーないですしなぁ……ぶぅ、隠してたのに」 ぶぅぶぅと口でいってみせる雨音に、卯月は可愛いと小さく漏らした。 それに、その隠していたものも卯月を笑顔にさせる。 それは、貼り絵の卯月。 [*前へ][次へ#] [戻る] |