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「他にいないんだ、緊張しなくていい」
「わ、わっ、分かってる!」
『…どうぞ、アジでございます』
「ありがとうございますっ」
うわわわっ、ツヤがある!
キラッキラしてるんだけど!
どうやら箸は使わないみたいで、僕はお絞りでしっかり手を拭いてからそれをとり、醤油をつけて口に運んだ。
……美味しい、としか僕にはいえない。
「…ふっ、クク、うまいだろ」
「うんっ!ま、マグロとかありますかっ?」
『ええ、何にいたしましょう』
「とりあえず全部だ。一貫ずつ握ってくれ」
「えっ、え…っ?」
勝手に頼むなよ!と思ったけど奢ってくれるのは北斗だから、僕は大人しく待つことにした。
ちゃっちゃっ、と握られていくお寿司たち…綺麗な赤に、あっちのはほんのりピンク。
……うん?
赤身でピンク?
『お待たせしました。こちらから赤身、中トロ、大トロ、あぶりになります』
「おっ…お、と、ろ…」
「好みはあるからな、気に入ったのをまた頼めばいい」
「いっ…いいの?だって、高いんじゃ…」
「いい。俺が奢りてぇんだ」
「っ…ありがと北斗!うわぁあ…夢みたいだっ」
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