7 「深空、怖かったじゃろ…?」 俺は、深空を抱えた。 「はい…でも仁王先輩が来てくれる気がしたんです…… そしたら……やっぱり来てくれました」 深空はヘラっと笑い、俺の頬に手を当てた。 「深空……」 俺は深空を優しく抱き締めた。 「仁王先輩………好きです。 最初はただ兄貴の友達として見てました。でも私が急にお弁当を作ってきても、嫌な顔もせず食べてくれて、しかも美味しいって言ってくれました。 私、凄く嬉しくて……」 「…………」 「あぁ、私はこの人が好きなんだ、って思うようになりました。それで―――!!?」 深空の話の途中、俺は嬉しくて深空にキスをしていた。 もちろん、相手から好きと言わせるつもりだった。だけど、予想以上に嬉しかったのだ。 「に、仁王先輩……?」 「俺も好いとうよ」 「え……?」 「だから、俺も深空の事を好いてるんじゃ」 「え……?……う、そぉ…」 驚いていると思ったら、深空は気を失ってしまった。 「深空……?おい深空!!」 俺は深空を姫抱きして、保健室へと走り出した。 [*前へ][次へ#] [戻る] |