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「何で兄貴はあんなに邪魔するんだろ……」
「……深空の事が心配で心配で仕方ないんじゃよ」
「でも……」
「まぁ、今は楽しまんと」
「……そうだね!よし、張り切っていこう!」

私は雅治の手を引っ張った。


「何を張り切るんじゃ」

雅治は苦笑いしながらも、私に付いてきてくれた。



私たちはまずイルカショーを観た。やっぱりイルカは可愛い!私が雅治にそう言うと、雅治がイルカのキーホルダーを買ってくれた。とても可愛いくて、嬉しくて、私は早速ケータイに付けた。


「ありがと、雅治先ぱ……あぁぁ!」

「お、罰ゲームじゃな」
雅治は「いやー、残念じゃ」とか言いながらも、全然残念そうじゃなかった。むしろとても嬉しそうな顔をしていた。……兄貴とのいざこざで罰ゲームとか忘れてたよ!私のバカヤロー。

「いや、でもここ人いっぱいいるし……」
「平気じゃよ、薄暗くて誰も気付かんぜよ」
「で、でもさあ……」

私が戸惑ってると雅治の方から近付いてきた。何か企んでそうな顔をしてたので勢いでキスをした。もちろん触れるだけのを。

「こ、これでok?」
「残念。俺からもっとスゴいのをお見舞いしてやろうと思ってたのにのう」

勢いでしちゃったけど、良かった。雅治はやっぱりペテン師なのかもしれない。ペテン師というか……危険というか……でもそんな彼が大好きなんだから仕方がない。でも、そんなことを言われると恥ずかしい。



「ほ、本当にキーホルダー……ありがと!」
「普段デートもできんし、当然の事じゃよ」

さっきのことを無かったことにしたくてとっさに笑顔で言ったら、雅治も笑顔で返してくれた。


「腹減らんか?何か食うかのう?」
「ん〜そうだね」

時計を見てみると、もう12時になっていた。通りでお腹が空いてきたんだな。取り敢えず、水族館の中の飲食店に入った。中学生のお小遣いじゃ、そんな高いものは食べれないからね。



「じゃ俺はこれにするぜよ…」

雅治はお肉を食べるみたい。焼き肉とか好きだからね。

「じゃあ、私はこのパンで良いや」
「それしか食べないんか?」
「これ位で足りるよ。雅治だって普段食に感心ないじゃん」
「俺は良いんじゃ。しかし、だからか深空そんなに細いんじゃな」
「私、そんなに細くないよ」

どちらかというと雅治の方が細いんじゃ…

「いや、かなり細いぜよ。全くブンちゃん位食べてみたらどうじゃ?」

丸井くん位食べたら、私吐いちゃうかも……見てるだけで胸焼けしちゃうよ。

「あれは流石に無理だよ」
「それもそうじゃのう」

私たちはその後も色々とお喋りして、飲食店を出て水族館の中を見まわった。綺麗な魚が沢山いて、私は興奮してしまい雅治を連れまわした。

「見て雅治!!この魚可愛いよ!あれは美味しそう!」

「美味しそうって……お前さんあれは食用じゃなかよ」
「ん〜そうだけどさぁ……」

雅治は苦笑い。私も苦笑い。私、お魚好きなんだよなー。見るのも、食べるのも。魚なら結構食べれる……筈。丸井くんが食べる量とか、そんなのは絶っ対無理だけどね。
こんな感じで4時頃まで水族館に居て、私たちは家に帰る事にした。


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あきゅろす。
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