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俺は昼は大体何も食べない。
それを知った深空は俺を昼に誘った。
「仁王先輩、お昼弁当作って来たんですけど。一緒に食べません?」
勿論後ろには幸村が居る。
「じゃあ一緒にさせてもらうかのぅ」
あまり食べる気もないが、深空に近づくチャンスだと思った。
どうせ俺が飽きるまでの事だから。
「どこで食べます?」
「俺は何処でもいいよ」
「兄貴には聞いてない」
幸村が落ち込んでいる。幸村をこんなズタズタに出来るのは、深空だけ。妹でも凄いんじゃないかのぅ…?
「屋上が良いかのぅ」
「じゃ、屋上にしましょっか。
兄貴ぃ行くよ〜」
深空は幸村を踏みつけた。
「深空………?ふふふ……」
「ヒィ!!」
やっぱり幸村の黒オーラには勝てないようだ。
さっきとは立場が逆になっていて面白い。
「ほら、喧嘩しとらんで、行くぜよ」
俺はそう言って先に屋上へ歩いて行った。
「あ、待って下さい!」
深空は焦って、犬の様にトタトタと俺の隣に来た。
その姿があまりにも可愛らしくて、不覚にも可愛いなんて思ってしまった。
「(可愛いのぅ……って、いかん!!コイツはあくまで暇つぶしなんじゃ!)」
「仁王先輩、どうしたんですか?」
「何でもないぜよ」
「そうですか?まぁ、私にはあまり関係ないですしね」
チク
何かが胸に刺さったような気がした。
「仁王先輩、ハンバーグとか春巻きとか食べれます?仁王先輩の為に一生懸命作ったんですよ」
胸の違和感と奮闘していたら、深空が話し掛けてきた。
「(胸がスッとしたのぅ…)そうか嬉しいぜよ」
―――今思うと、俺は鈍感だったんじゃな。
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