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「雅治先ぱーい!」

私は仁王雅治の彼女こと、幸村深空!なんか自分で言ってて、照れてきちゃう……



「ん?深空か。どうしたんじゃ?」
「ねえ雅治先輩、お昼一緒に食べよ?」

そう、今は昼休み。私は雅治先輩とお昼ご飯を食べるべく、お弁当を持って3年生の教室まで来ている。

「良かよ。今日は天気も良し、屋上で喰うかのお」
「うん!」


私は元気よく返事をしたが、何故かいやな予感がした。しかしそんなことを言っていたら昼休みがなくなってしまうので、屋上へ移動しようとしたそのとき……


「やぁ、仁王に深空。何処へ行くんだい?」


やっぱり現れやがった。私の感は当たっていた。当たっても全然嬉しくないんだけど……どうせなら宝くじとかが当たってほしいものだ。私たちの前に現れたのは私の兄にして、大魔王……そう、幸村精市が!!


「よう、幸村。お前さんこそ何しに来たんじゃ?」
「ん?たまたま通り掛かっただけだよ」

白々しい!偶然装ったってもうバレバレよ。雅治先輩と私を邪魔しに来たくせに。コイツ、兄のくせして私の邪魔ばかりしてくる。何を考えてるんだか……あ、シスコンなんだから私のことか。雅治先輩も毎度のことで苛ついているのか、声のトーンが変わっていた。


「ヒドいなあ、深空は……そんな風に育てた覚えはないんだけどね……」
「読心術つかわないでよ!それに兄貴に育ててもらった覚えなんてない!あと邪魔するな、クソ兄貴!」
「注文が多いなあ、深空は。それに兄貴じゃなくて、お兄さまだろ?クソなんかも使っちゃダメだよ?」


なんだよ、お兄さまって!しかし、そう思っても口に出すことは出来ない。だって兄貴から黒いオーラが……。顔はニコニコしてるのに、あら不思議。――なんて、やってる場合じゃない!


「幸村、深空を怖がらすんじゃないぜよ。俺たちはこれから昼飯じゃ。邪魔するな」

さすが、雅治先輩!私の事を思っててくれてるんですね。ほんっとに大好きです!

「じゃ、俺も一緒に食べようかな。あ、真田じゃないか!真田も一緒に昼飯食べようよ!」

い、一緒に……?私と雅治先輩のラブラブタイムに?ふざけるな。しかも真田さんまで誘おうとしてるし。


「いや、しかしな……………一緒に食べる」

真田さん、断ろうとしてたよね…?うん、私の目に狂いはないはず。


「いいよね、仁王?」
「はぁ、仕方ないのお……」
「えー……」


承諾しちゃうの……?私がシュンとしてると「今度の休みどっかへ連れてってやるぜよ」と雅治先輩が耳元でそう言ってくれた。



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