「深空、まだ仁王のこと雅治って呼んでるの?辞めなさいって言ったじゃないか」
……変な所を指摘された。
「だから俺らは付き合っとるって言っとるじゃろ。柳からも何か言ってくれ」
「俺が言っても精市が言うことを聞かない確率、99.997%」
うわぁ、ついに小数点第3位までいっちゃったよ。しかも結構微妙な数だし……
「よく分かってるね、柳。でも99.997じゃなくて100だ」
自分の兄貴ながらスゴいことを言い出す。なんて自信満々なんだろう。こういうの唯我独尊っていうんだっけ?
「はぁ、ウチの部長は妹の事となるとホントに手がつけられんのう」
「当たり前だよ。こんなに可愛い妹だよ?」
兄貴はそう言って私に抱きつきやがった。
「や、止めろ!虫酸が走る。雅治助けて」
「はぁ、幸村……離しんしゃい」
雅治は兄貴から私を抱き上げながら奪った。
「ちょ、雅治。そんな持ち上げなくてもいいよ。重いでしょ?降ろして」
「重くなんかなか。軽いぜよ」
「ふん、当たり前だよ。重いなんて言ったら、血祭りさ」
「深空の体重が40sの確率86%…」
「え、ちょ…!」
柳さんがスゴい事を言い出した。
「柳……?分かってるよね…?」
「冗談だ」
冗談なんかじゃない、マジだ。どっからバレたのかな?ちょっと……いやかなり怖いな……。兄貴は柳さんに文句という名の説教をしてる。
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