「―――で昨日も兄貴が私のマシュマロを!ほんと、許せないよ」 それぞれの部活での練習が終わり2人で帰っている。私はまだ2年生で年下だか最近、"雅治"と呼び捨てにするようになった 「ホントに深空はマシュマロが好きじゃのう」 「もちろんだよ。白くてふわふわした感触にあの可愛らしいフォルム!」「俺からしてみたらお前さんの方が白くてふわふわで可愛いぜよ」 「ま、雅治!」 「たまに赤くなるがのう」 雅治は笑いなが言っているが、私は少し怒っている。というか恥ずかしがっている。雅治は何かと恥ずかしいことを言ってくる。最近は特にそれが増えてきてる。だから、最近の若者は、まったくー。 「は、恥ずかしいこと急に言わないでよ」 「急に言わんかったら良いんか?」 「うっ……」 そ、それは……言い返せない……。 私が言い返せないのを良いことに「なら事前に言おうか?」なんて、雅治はまた私をからかい始めた。く、くやしい〜。 「ほんとに、お前さんは可愛いのう」 雅治はそう言って頭を撫でてくる。雅治が頭を撫でてくれると嬉しい。だ、だからといって許したわけでもないけどね。 「え〜何々ぃ?何が白くてふわふわで可愛いって〜?」 変に間延びしていて、こちらを苛つかせるような声が後ろから聞こえる。もちろん苛つくのはその喋り方のせいではなく、声の主のせいだろう。え、誰なのかって?それは、もちろん―― 「またお前さんか……幸村」 もちろん、私の兄貴だ。 「何で兄貴はここにいるのよ?」 「え、柳?ほら、そこにいるよ」 兄貴は斜め後ろに親指を向けた。確かに柳さんがいた。 「じゃなくて!話逸らさないでよ。何で兄貴はここにいるの?!」 「フフッ、ただ深空と一緒に帰ろうとしたら、バレー部の子がもう帰ったって言うもんだからね。もしかして仁王と帰ったんじゃないかと思ったのさ」 あ、説明しておきます。私、バレー部に入ってるんです。 「そりゃあ俺と深空は付き合ってるからのう。邪魔しなさんな」 「そうだ、そうだ!雅治の言う通りだ!」 私が雅治に肯定したら…… . [次へ#] [戻る] |