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駅前に着くと仁王はもういた。
雪の上に一人寒そうに立っていた。


刹那、足がすくんで仁王の元に行けなかった。

でも私は―――


「仁王!!待った?」

私は動かない足を無理矢理動かして、仁王に駆け寄った。

「いや、待っとらんぜよ。あの、喫茶店にでも入るかのぅ。」


「いいよ、仁王。話しならここで聞く…」

「でも寒いじゃろ?」

「私は平気だよ。」

「………まぁ祐奈がいいなら俺は構わんぜよ。」


「うん。全然いいよ!!」

「……あのな祐奈…俺……」
「知ってるよ、好きな人が出来たんでしょ?」


仁王はとても驚いた顔してる。

私は仁王の話しを遮って話し始めた。


「私だって、ずっと仁王の事見てたんだよ!その位分かるよ!
1組の子でしょ?可愛いもんね!!二人ならお似合いだよ。」

「でも祐奈は…?」

「私?私は平気だよ!!仁王にだって私が付きまとってなんたか付き合ってもらえただけだし…」

私は無理矢理笑顔を作って見せた。

「――っ、そんなこと!!」
「それに、私もあの時ほど仁王の事好きじゃないみたいだし…さ!!」


平気なはずない。

それに、今だって昔と変わらず……いや、昔より仁王のことが好きになっている。でも――


「仁王、
その子の所に行きなよ。仁王なら大丈夫だよ。


大切にしてあげてよ……。」

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